FSSC22000認証への対応において、HACCP文書化作業を行う際には、前述のポイントをふまえて、いかに効率的に行うかが、その成否を左右します。ほとんどの企業では大体のパソコンにエクセルをはじめとしたオフィスツールがインストールされていることもあり、これを利用してHACCP文書化の作業を行っています。特に多いのはエクセルですが、エクセルは表作成には適しているものの、作図には適していないため、以下のような課題が発生しています。

まず作成初期段階ではそれぞれの書き方のルールや管理する項目を決定することに対し、文書管理者は多大な時間を要しており、作成を始めるまでに苦労されています。また、作成のルール策定をしっかり行った上で、作成を始めても、最終的に出来上がった文書を見てみると、作成する人により書式などの対応方法がバラバラになってしまうということが頻発しています。この書式などの調整に文書管理者は苦労しています。この事象は特に原料の品数や工程数が多ければ多いほどよく見られます。

そして、文書作成・修正を実施する際に文書作成担当者が特に苦労されているのは、フローダイアグラム・ハザード分析表・重要管理点一覧表等の複数文書を、完全な整合性をとりながら作業を行うことが求められることです。特に工程の追加・削除による各種文書内の工程番号の付け直しや名称変更等の修正、フローダイアグラムにおける工程間での線種の付け直し等ではかなり細かい作業が発生します。これらの作業は文書作成担当者にとっては非常に負荷が高い、効率の悪い作業となっており、対応に苦労しているのが現状です(図3参照)。

図3:HACCP文書化作業の課題

図3:HACCP文書化作業の課題

 

多くの企業では、上記のような大変な作業を乗り越えて、何とか文書を完成させて、認証取得まではたどりつきます。しかしながら、取得後は業務・工程に変更が発生しても、前述のような負荷が高い作業が発生するため、HACCP文書は更新されず認証更新の時期までバインダーなどに保管されて、ロッカーの棚に保管されたままになっています。その結果、認証更新の際に慌ててHACCP文書を現場の状況に合わせて修正対応することになり、文書作成担当者には大きな作業負荷が掛かっています。

これらの課題をまとめると大きくは①ノウハウ不足②低い生産性③品質という3つの問題に集約出来ます。特に中小規模の企業では、限られた人員で業務を行っている中で、HACCP文書化の作業を、業務の中枢にあたるような管理者の立場にある方が対応されている現状があります。文書の作成・修正といった作業に管理者が長時間を割かれてしまうことは非生産的であり、本業への影響が大きいことから、経営的な視点から見た際には、非常に大きな問題となっています。この文書化作業への時間をできるだけ効率化して、本業の生産性を上げたいという話を多くの経営者の方からはお聞きします。

 


寄稿記事『HACCPクリエータが実現する効率的なFSSC22000の構築・運用』

1.FSSC22000でも必要とされるHACCP文書作成のポイント
2.HACCP文書化作業における課題
3.課題解決のための有効な手段とは
4.HACCP文書化専用ツール『HACCPクリエータ』
5.HACCP文書を業務マニュアルとして活用
6.まとめ


 

本記事の執筆者
株式会社サン・プラニング・

株式会社サン・プラニング・システムズ

業務プロセスの可視化による業務改善やリスクマネジメントを推進。専門ツールiGrafx(アイグラフィックス)を活用した支援実績多数。国内導入実績2000社。