製造、物流などの現場では人的作業の実態把握が難しい
IoTやシステムの普及によって、生産性向上や業務の効率化に取り組む企業が増えてきています。経営層からトップダウンで「IoTを活用して、何か改善を実施しろ/生産性向上を図れ」と言われた担当者も多いかと思います。
IoTをはじめとするITを軸としたデジタルな世界では、様々な結果や状態を数値化できるため、稼働状態のモニタリングや現状把握も容易ですが、人的作業となるとそれは極めてアナログな世界であり、人の目や感覚による評価や、人力による集計に頼らざるを得ません。
特に、製造や物流など現場においては、人的作業が多くを占めるケースが多くみられます。いつ、どこで、誰が、何をという「人的作業の実態把握が難しい」という悩みが頻発している状況です。これらの人的作業をモニタリングする方法としては、従来紙の報告書による集計方法が取られています。
しかし、この紙をベースとした集計もすべてが人力になるため、作業負荷、正確性、リアルタイム性の面で新たな悩みを生んでいます。
紙による集計・モニタリングのデメリット
報告書を使った集計の問題点や難しさについてもう少し考えてみましょう。
データの密度があらい
報告書を書く、集計する時間単位についてですが、日報、週報、月報などが良く挙げられます。
人的作業のいつ、どこで、誰が、何をやった、という情報を把握するには、マメな計測・記録が不可欠になります。
しかし、これまでの紙の報告書では、その日に完了した作業内容と結果だけで、ある作業に長時間かかったことは分かっても、それ以上は見えてきません。
集計単位の幅が広いために、報告時に現場で情報を集約してしまう
日報などを集計して把握しようと思っていても、日次レベルの集計単位では正確な情報が得られない場合があります。
例えば、生産現場における手待ち(仕掛り・処理待ち)が頻発していたとしても、日次の報告では実績の報告しかなされないため、空き時間などのロスが見えてこなかったりします。
また、デジタルになっていないため、色々な視点での情報把握や分析ができないため、改善につなげることが難しくなります。
人的作業もまずは見える化で実態を把握
製造や物流の現場では、人的作業が多くとも、業務がプロセス化されているケースが多いという特徴もあります。
まずは業務プロセスとしてどのように仕事が流れているかを把握すること解決に近づけます。
業務フローチャートを用いた業務プロセスの見える化
業務実態を見える化する際には、フローチャートを用いた業務フローチャートに落とし込むと良いでしょう。
フローチャート形式に落とし込むことによって、誰もが同じ視点で業務を理解することができます。
また各工程の前後関係まで俯瞰して理解することができる点も、大きな利点となります。
標準的な業務フローチャートを定義・モデリングする
業務の流れを業務フローチャートに落とし込むことで見えてくるのが、人による作業のやり方の違いです。
実際にAさんの処理方法を業務フローチャート化をしてみると、Bさん、Cさんは「自分と違う」という点をすぐに見つけることができます。
業務フローチャートを用いて、同じ理解の上でどのやり方が一番良いのかを議論をすることで、処理方法のバラツキを抑制し、業務を標準化することができます。
これを業務プロセスの標準化と呼びます。
測定したいモニタリングポイントを設定する
標準化された業務フローチャートを眺めながら、モニタリングしたいポイントを確認します。
これはどちらかというと現場の担当者というよりも、測定したい現場の責任者側で設定します。
モニタリングポイントが決まったら、業務フローチャート上の各所にマークアップをしておきましょう。
人の動きのモニタリングはスマホで十分!
スマホがあれば、いつでも、誰でも簡単に人の動きや数値の記録をとることができます。
ネットワークに繋がった時に記録されたデータが送信・集約されれば、ネットワーク環境に左右されずモニタリグを行うことができます。
また、自動でレポートも作成されるため、管理者はこのレポート結果をみて、次なる改善プランを考えることができます。
業務可視化NOTE 運営事務局 編集担当