基幹システム導入時のフローチャート
前回のエントリでは、目的に対して適切な粒度のフローチャートを作成するべきであるとお伝えしました。ではシステム導入を目的としたフローチャートには何が記載されているべきか、基幹システム導入のケースを例にとって説明します。
基幹システムを導入するにあたって、一般的には現状業務とのFit&Gap分析のために業務プロセスフローや既存システムのデータフローを作成し、比較検討します。しかし、実際に導入する段階になると業務プロセスとデータフローが合わず、苦労したという経験はお持ちではないでしょうか。
これは情報の粒度が細かすぎている、もしくはそもそも業務プロセスとデータフローの内容が乖離しているために、本来検討されなければならない箇所が見落とされていることが原因であると考えられます。
では、適切な情報の粒度とはどのようなものでしょうか。
モノ(ヒト)・カネ・サービスに着目する
基幹システムで管理されている物体は「データ」です。
この「データ」とは何を表しているものでしょうか。業務の中でやり取りされているモノ(ヒト)・カネ・サービスであるはずです。基幹システム導入のための業務プロセスフローには、最低限これらの要素が反映されていないといけません。
また、これらの要素は実際の業務処理を通じてやり取りされているはずです。この業務処理がプロセスとなります。
従ってシステム導入時に記述されるフローチャートの記述粒度は、プロセスを「モノ(ヒト)・カネ・サービス」の受け渡し単位で記述したものであると導かれます。
また、これらの受け渡しの流れは会社レベルから担当部署レベルまで記述し、それぞれの関係性を明確にする必要があります。基幹システムは会社内の「モノ(ヒト)・カネ・サービス」を管理するものだからです。
(注)ここでの「ヒト」は資源ではなく資産ととらえ、有形の「モノ」に含めています。
次回はもう少し具体的に「業務プロセス」をフローチャートに記述することについてお話しします。
[NEXT]→第3回 「業務プロセス」について考えよう
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