【コラム】業務改革に向けたプロセス改善の悩みと解決策

デジタル・ビジネス・トランスフォーメーション、およびセンター・オブ・エクセレンスの実現

iGrafx LLC
最高技術責任者
Ed Maddock

必要と理解していても頓挫しがちなプロセス中心型の業務改革

「戦術的な成功」と「プロジェクトの実質的な経費削減」の両方を達成するには組織内におけるビジネスプロセスの改善能力に重点を置く必要があることを、多くの企業が認識しています。とはいえ、組織全体でのプロセス最適化に向けて、プロセスの「センター・オブ・エクセレンス(CoE)」導入の必要性が認識されていながら、実際にこれに取り掛かる組織はほとんどありません。また、導入を試みたとしても、すぐに頓挫してしまうケースがほとんどです。それはなぜでしょうか。

CoEの導入には社内の協力や賛同が大きな課題

このCoEのコンセプトを実践するだけで、ビジネスにおいて明らかなメリットがいくつも得られます(プロセスの中央集中化や文書化/社内での標準化/方法論の導入等)。しかし、こうしたCoEの試みに対して、社内でのサポート/協働/協力態勢を得ることは全く簡単ではありません。CoEのコンセプトを提起し、それに対する賛同を得ていくことが、最初の課題となります。また、たとえCoEの取り組みを実践しても、それが戦略に整合していて目標のビジネス成果に繋がるものでなければ、せっかく標準化/普及/活用に向けて努力しても、最終的に目標を達成することができません。

CoEの基本原則に取り掛かること自体はごく簡単ですが、それを最後まで達成するには非常に大きな課題が伴います。プロセスの改善、文書化、伝達、そして特に難しいのが組織全体での導入です。そのため、複雑化し続ける現在のビジネス界においては、より大規模な「デジタル・ビジネス・トランスフォーメーション(DBT)」の導入が求められます。

デジタル・ビジネス・トランスフォーメーション(DBT)が打開のカギ

DBTとは、つまり「適合プロセスの構築」を意味しています(顧客の接点となる場所を特に重視)。DBTのコンセプトでは、「プロセス作成者」が必要に応じて、即座にプロセスを変更できる担当者となります。プロセス作成者は、顧客の要望を満たすうえで、プロセス適合化における最前線の立場にいるとされるからです。現在、ビジネスプロセス管理では(その必要性から)、バックオフィスの自動化だけでなく、顧客の獲得/維持が重点的に推進されています。そのため、DBTを同時に実施することにより、確実にビジネス上の顧客の維持/獲得を遂げることができます。

ただし、このように柔軟にDBTを取り入れる場合、組織にとっては「管理とリスクの低減」がさらに大きな課題となるといったデメリットも生じます。しかし、見方を変えれば、こうしたデメリットもメリットに変えていくことができます。つまり「ビジネス・アーキテクチャー」と「リスク/パフォーマンスの管理」の各要素を取り入れる必要性を最初に理解しておかなければ、CoEを達成させることはできません。これによって、ビジネス・トランスフォーメーションを全プロセスへ(バリュー・チェーン全体だけでなく、ビジネス全体にわたって)適用できるようになります。

上記コンセプトの規模の大きさにお気づきの場合も、ご心配の必要はありません。各要素ごとに、順を追って詳細にご説明いたします。DBTを適用してビジネス目標を達成するには、CoEの実現が不可欠であることをすぐにご理解いただけると思います。飛躍的に改善できるのです。CoEの実現によって、企業のさらなる繁栄に繋がります。

 

CoE実現に向けた6つのポイント

①上層部から支持

CoEチームには、ビジネスの各種分野を明確に把握した人物(CEOやCOOなど)によるサポートが不可欠となります。こうした人物とは、CoEは単に経費削減だけの問題ではなく、メトリクスの改善(顧客満足度など)に関わることを理解し、ビジネス上の戦略目標を的確に伝達できる人物を指します。

②可視性とトレーサビリティ

相互依存性やリソースの相互作用について理解するため、「規定プロセス」と「適合プロセス」いずれについても明確に把握しておく必要があります。

③管理

無計画に実施して混乱を招かないようにするために、価値観と目標を明確に把握しておく必要があります。効果的なビジネス・トランスフォーメーションを行うには、変更に関する把握/管理が不可欠となります。

④リスク管理と評価指標

特に適合プロセスに関しては、規程やその他のビジネス要件を有する組織の場合、(たとえ各プロセスが適合化されていても)効果的な「リスク低減」の達成に向けて適正に管理されているかどうかを検証する必要があります。また、素早く対応するために、重要業績評価指標(KPI)の監視も不可欠です。

⑤トレーニング

トレーニングによって、プロセスに関わる全人員が現在のベストプラクティスを素早く理解し、またオンライン反映時の変更について認識させる必要があります。プロセス責任者を指名するだけでは、プロセスのパフォーマンスを改善させることはできません。

⑥内部顧客の要望を満たす

CoEについて好意的な理解を得るには、内部顧客が提供サービスに満足していることが必要です。彼らは、自身のプロセスやその効果的な管理方法について詳細に把握しておく必要があります。内部顧客の要望を満たすことができれば、更なる要望を求める内部顧客から、必ずフィードバックされます。そしてCoEについて、周囲へ積極的に提唱してくれるでしょう。

 

DBTをきっかけにCoEに取り組み、業務改革を実現しましょう

デジタル・ビジネス・トランスフォーメーションの真髄は、豊富なビジネスモデルにあります。効果的なビジネスモデルとは、ビジネスモデルの中核のプロセスと同様に(組織的、運用的、または戦略的な変革を問わず)常に変化し続けるものです。こうしたビジネスモデルへの改革を成し遂げて管理するには、CoEが最適です。

つまり、生産性を向上させて組織の非効率性をなくすには、必ず企業の優先順位(既存顧客の維持や、新規顧客の開拓など)に沿った上で、プロセスの「センター・オブ・エクセレンス」を設定することが最善の方法と言えます(状況に応じて、柔軟にデジタル・ビジネス・トランスフォーメーションも実施)。

この記事を書いた方
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iGrafx LLC

iGrafx LLCは米国を本社とするBPMソリューションを提供しているメーカーで、これまで米国の「フォーチュン100企業」の3分の2以上、また全世界1万社以上のお客様に対して、iGrafxソリューションを利用した極めて重要な改善戦略を達成してきました。


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