【無料ダウンロード】可視化プロジェクト7つのSTEP
01-【業務可視化関連帳票-1】業務一覧表とは

業務一覧表とは?作り方・項目例・業務改善への活用方法を解説

業務一覧表とは、組織内で行われている業務を体系的に洗い出し、業務名・担当部門・頻度・工数・関連システム・課題などを一覧で整理する表です。業務改善や業務フロー作成を進める前に、まず何の業務が存在するのか、どこまでを対象にするのかを明確にするために使います。

02-業務一覧表
業務一覧表

業務一覧表を作る目的は、単に業務を並べることではありません。業務全体を漏れなく把握し、後続の業務フロー作成業務改善進捗管理につなげられる粒度で整理することが重要です。

先に結論

  • 業務一覧表は、業務可視化プロジェクトの対象範囲を決めるための基礎資料です。
  • 主な項目は、業務分類、業務名、担当部門、頻度、工数、関連システム、課題、業務フロー作成対象などです。
  • 作り方は、トップダウンで全体構造を整理し、ボトムアップで現場業務を洗い出して突き合わせる流れが基本です。

 

運営事務局
【お知らせ】人気の業務可視化&フローの書き方セミナー(東京都港区三田)を開催しています!20名様限定のセミナーで現在申込受付中です。ご興味があればぜひご参加ください。詳しくはココをクリック
 

業務一覧表とは?何を整理する表なのか

業務一覧表は、会社や部門の業務を階層化して整理するための表です。大分類・中分類・小分類のように業務を分解し、どの業務を誰が、どの頻度で、どのようなシステムや帳票を使って実施しているかを整理します。

業務一覧表があると、業務フローを作成する単位をそろえやすくなります。逆に、業務一覧表がないまま個別に業務フローを書き始めると、粒度がばらつき、同じ業務を重複して書いたり、重要な業務を漏らしたりしやすくなります。

業務の棚卸し全体の進め方は、業務の棚卸とは?進め方・項目・失敗しやすいポイントを解説でも整理しています。業務一覧表は、その棚卸し結果をプロジェクトで使える形に整える成果物と考えると分かりやすいです。

 

業務一覧表に入れる主な項目

業務一覧表に入れる項目は、利用目的によって変わります。ただし、業務可視化や業務改善の土台として使うなら、最低限次の項目を整理しておくと後工程で活用しやすくなります。

項目内容活用場面
大分類・中分類・小分類業務を階層化して整理する業務範囲の定義、漏れ重複の確認
業務名実施している業務を具体名で記載する業務フロー作成単位の決定
担当部門・担当者主担当と関係部門を整理するヒアリング、レビュー、責任範囲の確認
頻度・件数・工数月次、日次、処理件数、作業時間を記録する改善優先度の判断
関連システム・帳票利用するシステム、Excel、帳票、マニュアルを整理する業務フローや手順書との接続
課題・改善余地属人化、手戻り、二重入力などの課題を記録する改善テーマの抽出

最初から項目を増やしすぎると、現場入力の負担が大きくなります。まずは業務の全体像を押さえる項目に絞り、改善や進捗管理に使う段階で必要項目を追加する進め方が現実的です。

 

業務一覧表の作り方5ステップ

業務一覧表は、現場に自由記述で業務名を集めるだけでは精度が上がりません。全体構造と現場実態を両方確認しながら、次の順で作成します。

  1. 対象範囲を決める: 会社全体、特定部門、特定業務など、一覧化する範囲を明確にします。
  2. 業務体系を仮置きする: 組織図や既存規程をもとに、大分類・中分類・小分類を整理します。
  3. 現場業務を洗い出す: アンケートやヒアリングで実際の作業、例外処理、関連資料を集めます。
  4. 粒度をそろえて統合する: 同じ意味の業務をまとめ、細かすぎる作業と大きすぎる業務を調整します。
  5. 業務フロー作成対象を決める: 重要度、課題、関係部門、工数を見て、どの業務から可視化するか決めます。

この流れで作ると、業務一覧表が単なるリストではなく、業務フロー作成や改善活動の優先順位を決める判断材料になります。

 

業務一覧表作成の為の2つのアプローチ

03-トップダウン分解とボトムアップ合成

業務一覧表の作成においては、網羅性と体系性を両立させることが重要です。そのため、以下の2つのアプローチを組み合わせることで、より精度の高い業務一覧表を作成することが可能となります。

トップダウン分解

トップダウン分解アプローチは、業務一覧表作成において、対象とする業務範囲を構造的に捉えるための手法です。まず、全体像を把握し、上位レベルから段階的に業務を整理していきます。この際、一般的には組織体系を基盤として活用し、部署や部門といった大きな単位から、さらに詳細な業務へと分解していきます。

このプロセスで作成される成果物は「業務体系表」と呼ばれ、主に業務可視化プロジェクトの推進事務局が中心となって作成を主導します。これにより、業務の階層構造が明確になり、後続のボトムアップ合成で現場からの情報を整理する際の基準となります。このアプローチは、包括的な視点から業務全体を俯瞰し、漏れなく網羅するための重要なステップと言えます。

04-業務体系表
業務体系表

ボトムアップ合成

現場担当者にアンケートやヒアリングを実施し、実際に行われている業務や作業を詳細に列挙していきます。この業務一覧表作成のアプローチでは、個々の実務に焦点を当て、現状を網羅的に把握することを目指します。

現場の声を直接反映させることで、業務の棚卸しにおける漏れを防ぐことが期待できます。集められた多数の業務や作業の中から、業務一覧表の粒度を揃えるために、共通するものをグループ化してまとめ上げていきます。

このプロセスで作成される成果物は「業務棚卸表」と呼ばれます。この「業務棚卸表」は、実際の業務実態を正確に反映した、業務一覧表の基盤となる重要な資料となります。

05-業務棚卸表
業務棚卸表

これら2つのアプローチによって作成された「業務体系表」と「業務棚卸表」を照合することで、洗い出しの漏れを確認し、業務一覧表の精度をさらに高めることができます。

また、業務の体系は「大分類・中分類・小分類」のように、統一された粒度で整理することで、後続の業務フロー作成などの工程がスムーズに進むようになります。これは、業務一覧表の基本的な構成要素とも言えます。

06-業務体系表と業務棚卸表の突き合わせ

業務一覧表の活用

業務一覧表を作成することで、業務が体系的に洗い出され、業務フローを作成する単位が明確になります。この業務一覧表は、単に業務を列挙するだけでなく、プロジェクトの目的に合わせて項目を追加することで、さらに多角的に活用することが可能です。

進捗管理表

業務一覧表に以下の項目を追加することで、業務フロー作成の進捗管理表として活用できます。これは業務可視化プロジェクトにおいて非常に重要な機能であり、業務一覧表の完成後に追加しても問題ありません。この業務一覧表を基盤とすることで、プロジェクト全体の進捗状況を正確に把握し、遅延や課題の早期発見に繋げることができます。

  • 作成対象(作図要否): どの業務について業務フローを作成する必要があるかを明確にします。
  • 作成担当者: 各業務フローの作成責任者を特定します。
  • レビュー者: 作成された業務フローの品質を保証するためのレビュー担当者を指定します。
  • 作成開始日: 各業務フローの作成に着手する日付を記録します。
  • 作成完了日: 各業務フローの作成が完了した日付を記録します。
  • 進捗度: 現在の作成状況をパーセンテージなどで示し、全体の進捗を把握します。

この業務一覧表に基づいた進捗管理は、プロジェクトの透明性を高め、関係者間の連携を円滑にするための強力なツールとなります。業務一覧表の正確な更新が、プロジェクト成功の鍵を握ります。

業務改善

業務一覧表は、単に業務を洗い出すだけでなく、業務改善の検討ベースとしても非常に有効です。業務一覧表に以下の項目を追加し、業務属性を整理することで、具体的な改善策の立案につなげることができます。

  • 業務の性格(定型/非定型): 業務がルーチンワークか、それとも状況に応じて判断が必要かなどを分類します。
  • 業務スキル(一般/専門性): その業務遂行に必要とされるスキルが、一般的なもので良いのか、特定の専門知識が必要なのかを定義します。
  • 必要習熟度(求められる経験年数): その業務を一人前に行うために、一般的にどの程度の経験年数が必要とされるかを推定します。

これらの項目を整理することで、例えば、定型業務で一般スキルで対応可能、かつ短期間で習熟できる業務を特定できます。

こうした業務一覧表の分析結果は、人材配置の最適化(例:正社員から派遣社員への切り替え)や、アウトソーシングの検討など、具体的な業務改善活動の基礎データとなります。

業務一覧表を活用することで、より効率的で効果的な業務改善を実現することが可能になります。

 

よくある質問

業務一覧表と業務フローの違いは何ですか?

業務一覧表は、存在する業務を一覧で整理する資料です。一方、業務フローは、個別業務の手順や部門間の受け渡しを図で表す資料です。先に業務一覧表で対象業務を決め、その後に必要な業務フローを作成する順番が基本です。

業務一覧表はExcelで作っても問題ありませんか?

初期の洗い出しや小規模プロジェクトであればExcelでも作成できます。ただし、複数部門で更新し続ける場合や、業務フロー・手順書・規程と連携させる場合は、版管理や更新責任を明確にしておく必要があります。

業務一覧表を作るときに失敗しやすい点は何ですか?

粒度がそろわないことです。ある行は部門全体の大きな業務、別の行は担当者単位の細かい作業になっていると、改善優先度や業務フロー作成対象を判断しにくくなります。

業務一覧表は誰が作成すべきですか?

推進事務局が全体設計を行い、現場部門が実態を補足する分担が現実的です。事務局だけで作ると現場実態が漏れやすく、現場だけに任せると全体の粒度や分類がばらつきやすくなります。

【まとめ】業務一覧表は業務改善と業務フロー作成の土台

業務一覧表は、業務可視化プロジェクトにおいて、その後の工程の成否を左右する極めて重要な成果物です。業務一覧表の精度が低いと、プロジェクト後半で本来可視化されるべき業務が見落とされていた、といった事態に陥りかねません。そうなると、手戻りが発生し、プロジェクトメンバーや関係部署の再調整が必要となり、プロジェクト全体の遅延やコスト増加に繋がる可能性があります。

業務可視化プロジェクトでは、どうしても業務フローの作成に意識が集中しがちですが、業務一覧表の作成業務フロー作成と同等に重要であるという認識を持つことが、プロジェクトを成功に導く鍵となります。精度の高い業務一覧表を作成することで、体系的な業務把握が可能となり、効率的な業務改善生産性向上への道が開かれます。網羅性正確性を追求した業務一覧表の作成を心がけましょう。

無料セミナー 業務可視化・業務改善・RPA・UiPath
可視化プロジェクト絶対に失敗させないための7つのステップ
ABOUT US
市橋 憲茂
市橋 憲茂(株式会社サン・プラニング・システムズ)
【業務プロセスの可視化・改善で20年】業務の見える化、業務シミュレーション分析による業務改善を推進。営業、コンサルタントを経て、現在はその価値を発信するマーケティング部門の責任者として、業務可視化の重要性を広く伝えながら、企業の改革を後押ししています。