こんにちは。サン・プラニング・システムズ 可視化コンサルタントの鈴木 裕です。

2015年3月に地方公共団体情報システム機構より「地方公共団体の情報システム調達における機能要件の調査研究」が発表されました。この報告では情報システム調達における要件検討のため、業務フローを作成して業務可視化を実施するよう案内されています。
さらに、「地方公共団体の情報システム調達における機能要件の表記方法利用ガイド」において実施方法が解説されていますが、実際に実施するとなると不安な方も多いのではないかと思います。

そこで、弊社の業務可視化における豊富な経験と実績に基づき、いくつかポイントをお伝えしようと思います。

 

業務可視化の体制について

業務可視化を実施するためには、さまざまな立場の方から情報を収集する必要があります。
例えば、作業内容を漏れなく収集するためには作業担当者から情報を収集する必要がありますし、業務全体の流れや関係性については管理職級から情報収集する必要があります。また、部門をまたがった業務もあるため、超部門的に活動できる体制が必要です。

そのため一般的には、業務可視化専用のプロジェクトチームを結成し、組織横断的に活動を行います。このプロジェクトチームには業務可視化を達成するのに必要な人員と権限が必要です。また、関係各部との協力体制を確立しておくことも不可欠です。

01-専用プロジェクトチームの結成

 

業務ヒアリングの方法について

業務プロセスフローを作成する前に、実際どのような業務が行われているのか棚卸を行う必要があります。(弊社では業務棚卸と呼んでいます。)
業務棚卸はヒアリングを通じて情報を収集しますが、目的に応じて2通りの方法があります。

 

トップダウン

トップダウン手法の場合、組織の上位層(管理職級)に対し、自己の管理業務を洗い出してもらいます。このとき、特に業務処理の流れや関係性、実施時期に注目します。
業務のつながりは担当者レベルではわからないことも多いので、組織上位からトップダウンで掘り下げていく手法が有効です。

ボトムアップ

ボトムアップ手法の場合、業務の担当者に対し、自己の担当業務を洗い出してもらいます。このとき、洗い出し漏れが無いように注意します。
この手法を採用すると、管理者が把握していなかった業務が発見され、業務改善につながることが多々あります。実際に行われている全業務を洗い出すためには、ボトムアップで洗い出す手法が必要です。

業務棚卸では上記どちらの手法も必要ですが、システム調達のための業務可視化ではトップダウン手法に重点を置くべきです。
なぜなら一般的に、業務支援システムを導入するときは既存業務の流れとシステムが用意している処理の流れとの適合性を分析したり、業務の関係性をシステムに反映させる必要があるためです。

02-ヒアリングはトップダウンで実施

 

業務プロセスフローの作成について

業務プロセスフローを作成するにあたり、必ず注意しなければならないことがあります。記述粒度と記述ルールです。

記述粒度は、フローチャートの記述単位を指します。具体的には個々の図形に表す単位を意味します。弊社が推奨する単位は、「入出力帳票(データ)をやり取りする単位」です。これを「業務プロセス」と定義しています。(業務プロセスの定義についてはこちらを参照してください)
記述粒度を決定するためには「可視化の視点」も重要です。具体的にはフローチャートに書き表すプロセスは「業務プロセス」なのか「業務手順」なのか決める必要があります。

システム調達を目的とした場合、「業務プロセス」を可視化する必要があります。
なぜならば「業務要件」とは「業務プロセス」の要求事項であり、「業務手順」の要求事項では無いからです。
業務手順を要件としてしまうと、本来は不要な手順も要件としてしまい、業務改善を阻害してしまいます。
業務プロセスで定義したアウトプットと、アウトプットを達成する要素を業務要件とし、これを実現するためにシステム要件を求めることがシステム調達における業務可視化の目的です。

03-可視化階層図

実際に業務プロセスフローを作成するにあたっては、記述ルールの定義が必要です。通常は複数の人間が業務プロセスフロー作成に携わることになるため、成果物の記述内容がばらつかないように記述様式や記法、記述粒度をルールとして定めます。これによりフロー作成時の手戻り防止と、品質確保を実現できるのです。

例えば、BPMNを採用する場合はBPMNのルールが記述様式になります。また、記述粒度を「業務プロセス」と定めます。
弊社ではセミナーや実際の支援において、業務プロセスフロー作成前にルールブックの作成することと、必ずルールに準じて業務プロセスフローを作成するようご案内しています。

04-記述粒度とルールの決定

業務プロセスフロー作成のために必要なポイントを3点挙げさせていただきましたが、ご参考になりましたでしょうか?
弊社では他にも、業務可視化や業務プロセスフロー作成のための情報をお伝えするセミナーを開催しています。ぜひご活用ください。

また、弊社は業務可視化や業務プロセスフロー作成のご支援も多数行っており、実績・経験も豊富です。お悩みの事象がございましたらお気軽にお問い合わせください。

bn-業務の見える化セミナー      

 

本記事の執筆者
株式会社サン・プラニング・

株式会社サン・プラニング・システムズ

業務プロセスの可視化による業務改善やリスクマネジメントを推進。専門ツールiGrafx(アイグラフィックス)を活用した支援実績多数。国内導入実績2000社。