海外工場の生産性(効率)の課題とは
これまで海外の人件費の安さを利用して生産拠点を海外に移すことでコスト削減を図ることができましたが、最近は海外の人件費の高騰によってこの施策の効果も急速に消えつつあります。
これまで海外展開を行ってきた各企業は、以前から抱えている「作業品質の問題」や「納期遅延の問題」の改善に加え、海外生産拠点の「効率化」について取り組む必要が出てきています。
海外生産拠点の効率の低下とは
海外生産拠点の立ち上げ時には、日本人スタッフも現場で支援しているので「作業効率」についてはそれほど問題視はされません。
それよりも、如何にして日本の工場の品質に近づけるかを最優先に考え、この立ち上げに注力しています。
ようやく工場も安定した頃、いよいよ日本人スタッフも帰国するという段階になると、この「作業効率」という新たな問題が発生します。
日本のスタッフによる監視の目が無くなったことで、現地スタッフのモチベーションの低下がはじまりまるのです。
監視の目がないことによって、一人また一人と手を抜くようになり、次第に現地スタッフのモラルは低下し、最終的には工場全体の作業効率の悪化に繋がります。
この問題にすぐに気付くことができれば良いのですが、日本の本社・マザー工場にこの「気付ける仕組み」が備わっていることは少なく、気づいた頃には重症化してしまっています。
かと言って日本人スタッフをずっとその工場に張り付かせておくことも難しく、コスト面から改善策が打てていないという企業が多く見られます。
生産性の問題もモニタリングで解決
監視の目がなくなることで作業効率が悪化するのであれば、監視の目の代わりとなるような仕組みがあれば問題を解決できます。
日本の本社・マザー工場側で常にモニタリングしていることが伝われば、現地スタッフも手を抜くことが難しくなります。
まずは海外生産拠点の作業や工程を可視化したうえで、作業の効率を把握できるKPIを定めておくことで、万一海外生産拠点の作業効率が低下をしたとしても、すぐにその問題をキャッチすることができますので、早期の原因究明・対策に取り組むことができるようになります。
それでは、その海外生産拠点の可視化・モニタリングを実現するためには、どのような仕組みを構築すれば良いのでしょうか