【はじめてのDX推進~社内プロセス改善者の奮闘記~】

第8回:業務改善に終わりはない! 現場に新プロセスを受け入れてもらうには?


第7回はこちら
改善案の検討~経営層への提案
https://kashika.biz/bpmconsulting-blog-test7/


川井部長
塚田君、先日経営会議にかけた業務改善案が承認されたよ!
塚田
本当ですか?!ありがとうございます!
塚田
山口さん!ついに業務改善案が承認されました。
コンサルタント 山口
おーおめでとう!良かったね。
塚田
いよいよこれまでたくさん考えてきた新プロセスを現場で運用してもらうときが来ました!
塚田
新しい業務フローを現場の方に渡してきます!
コンサルタント 山口
ちょっと待って!!!
まずは、ここまでよく頑張ったね!ただ、設計したものをポイっと現場に渡すだけではダメなんだ。現場で実際に業務を行ってもらって、見込んだ改善効果が得られて初めて業務改善は成功だと言えるんだ。
コンサルタント 山口
実際に改善効果を出すのは、机上で改善施策を考えるのと同じくらい、いやそれよりも難しいことなんだ。
塚田
そっか、改善方法を考えて終わりではないんですね…
塚田
現場の方にはどのように新しい業務を行ってもらうのが良いんでしょうか?
コンサルタント 山口
まずは、「共有方法」を考えてみよう。
コンサルタント 山口
今回たくさんの業務フローを作成したと思うけど、それをどさっと渡されたら塚田君はどう思うかな?
塚田
まずは自分の業務のフローを探しますかね…?
コンサルタント 山口
そう!普段の業務でもいえることだけど、資料を探すのってそれなりに時間かかるしめんどくさいよね。
コンサルタント 山口
そんな探す手間を軽減するために、体系的に整理して共有してあげることが大切なんだ。
コンサルタント 山口
たとえば、最初に業務棚卸をしたけど、業務一覧表から各業務のフローを閲覧できるようにすると探しやすいよね。

 

ポイント
事業や規定を表すアクセスメニューを入口として、プロセスマップ→業務フロー→関連資料(規定や雛形)という風に体系的にたどっていけるようにすると見たいものを探しやすい。
塚田
なるほど!業務フローを見てもらうには”見るハードル”を低くするための工夫が大切なんですね。
塚田
ただ…業務フローを見てもらえたとして、本当にその通りに実施してもらえるものなんでしょうか?
コンサルタント 山口
とても重要なポイントだね。すでに慣れているやり方を新しいやり方に変えるのには誰しも少なからず抵抗感があるものだからね。
コンサルタント 山口
だからこそ、トップからの声掛けが重要になるんだ!
コンサルタント 山口
社長や部長など上層部から「みんなで業務改善に取り組もう!」というメッセージを出してもらうことで、ある程度の強制力を持って業務を変えなければならない環境を作ることも必要だね。
塚田
自分だけ新しい方法に変えるのは抵抗があるけど、みんなで一緒に取り組むのであれば、慣れないことも質問しあいながら進めていけそうです!
コンサルタント 山口
あと、新プロセスが定着するまでの数カ月くらいは、部門横断的あるいは各部門にプロセス管理者を配置して、設計したプロセス通りに業務が行えているかを見回ることが出来るとベストかな。
塚田
リーダー的な人がいるとより安心感がありますね。
コンサルタント 山口
ここまでで新プロセスを共有して実施してもらう体制は整えられそうかな?
新プロセス定着のためのポイント
①トップダウンで業務改善に取り組む声掛けを行う
②初期はプロセス管理者を部門横断的あるいは各部門に配置する
塚田
はい!
ただひとつ不安なのが、現場の立場からすると「やらされている」感が否めないのかなと…
塚田
現場から不満が噴出すると、どれだけ上から声掛けを行っても結局定着しない可能性があるんじゃないかと思ってしまって…
コンサルタント 山口
うんうん。「やらされている」から「やろう」という自発的な意識に変えることは、業務改善を継続していく上で大きなハードルにもなることだね。
塚田
人の意識を変えるのってすごく難しいことですよね。なにかポイントはありますか?
コンサルタント 山口
いくつかポイントはあるけど、まずは、現場の皆さんに業務改善をすることで自分たちにメリットがあるんだと理解してもらうことが必須だよ!
コンサルタント 山口
たとえば、データの二重登録の手間や承認印をもらうためだけの出社がなくなるとか、ミス軽減によってお客様のクレーム対応が少なくなるとか。
コンサルタント 山口
経営層にとっては、コストカットやリードタイム削減などが目的になるかもしれないけど、現場からするとそんなこと自分たちには関係ないからね。現場に対しては、あくまで現場の方たちの業務が良くなることをアピールする必要があるんだ。
塚田
説明する相手によって説明の仕方やアピールポイントを変えるんですね!
コンサルタント 山口
2つ目のポイントとしては、現場の声を聞くことだ。
塚田
あれ?でも問題整理やToBeフロー作成時にも十分聞いていますよね?

コンサルタント 山口
そうだね。でも、本当に新プロセスが実運用にうまく当てはまるとは限らないよね。

コンサルタント 山口
もしかしたら、システム化しても想定される運用を実施できずに、結局手元でExcel管理してしまうなんてことが起こってしまうかもしれない。
塚田
実際に新プロセスで業務を行ったときの現場の声を拾わないといけないんですね。
コンサルタント 山口
現場の声には業務改善をするうえでの気づきがたくさんあるからね。
コンサルタント 山口
もう一つポイントを挙げるとしたら、部門間で業務改善の取り組みを共有することかな。
塚田
自部門だけでなく他部門の取り組みを知ることも当事者意識の醸成につながるんですか?
コンサルタント 山口
関係ない業務に見えても、「紙でのやり取りをやめたい」とか「社内外でリアルタイムにデータを共有したい」など共通の課題を抱えていることがあるよね。
塚田
課題の整理でやりましたね!
コンサルタント 山口
お、ちゃんと覚えてたね!
コンサルタント 山口
他部門で、自分たちが抱えている問題と同じ問題を改善して効果を出していたら塚田さんだったらどう思う?
塚田
真似してみたいと思います。
コンサルタント 山口
そうだよね、前例があると業務改善へのハードルが下がるから自分たちもやってみようという意識が生まれやすくなるんだ。
塚田
なるほど。そうやって会社全体に業務改善が根付いていくと良いですね。
意識改革のためのポイント
①現場にメリットがあることをアピールする
②現場の声を聞く
③部門間で業務改善の取り組みを共有する場を作る
コンサルタント 山口
業務改善を根付かせてより良い業務にするためには、継続してPDCAを回していくことが大切なんだ。
コンサルタント 山口
そのために、定期的にプロセスを見直す必要があるんだ。誰が見直すのか?誰が修正するのか?誰が現場のコンセンサスをとるのか?を運用ルールとして明確にしておくといいよ。
塚田
これまで労力もコストもかけて検討してきたプロセスなので会社資産として管理、活用していかないともったいないですもんね!
コンサルタント 山口
しっかり想定した改善効果が出るかもモニタリングをして次の業務改善に生かしていけるといいね。
塚田
そうですね。引き続き皆さんに喜んでもらえるような業務改善活動を続けていきたいと思います!
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