【RPA導入の前に押さえておきたい】RPAツールとExcelマクロの違い

RPAツールとExcelマクロの違い

RPAツールは、人間の操作を記録することによっても設定できる機能をもっていることなどから、Excelマクロが引き合いに出されることが多いと思われます。前回のコラムでは「RPA導入による業務自動化による効率化のポイント」を解説しましたが、今回はもう少し具体的に「RPAツールとExcelマクロとで何が違うのか」について考えてみたいと思います。

 

Excelマクロとは?

まず本題に入る前にExcelマクロとはどのようなものなのかをおさらいすると、マイクロソフト社のExcelに標準装備されている機能で、一連の複数作業手順を記憶して、自動的に実行させる機能のことを言います。

例えば、Excel上で更新したデータを毎週グラフ化しなければいけないような場合、グラフ化の操作としてデータの範囲を選択し、グラフウィザードにグラフの形式を設定するなど、一連の操作を毎週行う必要が出てきます。そんな時には「マクロの記録」の機能を利用して一連の作業を記録し、同様の操作が必要になる度に記録したマクロの実行を行うことで、作業の効率化を図ることが可能です。

また、記録された操作は、VBA(Visual Basic for Applications)と呼ばれるプログラミング言語に変換されて記録されますので、VBAプログラミング言語を理解すれば、もっと高度な自動作業も可能となります。

 

対象となるアプリケーションの範囲は?

ExcelマクロやVBAの範囲

Excelにて操作記録ができる範囲は当たり前ですがExcel上での操作だけとなります。

Excel2016のマクロ記録のイメージ

Excel2016のマクロ記録のイメージ

但し、先に説明したVBAにおいては、Excel以外にもAccess、WordなどのOfficeアプリケーションのほか、限定的ながら Internet Explorer など Office 以外のマイクロソフト社製のソフトウェアを制御する機能も持っています。これによりVBAによりプログラミングを行うことで、VBAをサポートするアプリケーション群の範囲において自動化を行うことが可能となります。

RPAツールの範囲

RPAツールでは、ソフトウェアロボットの動作設定を行う機能、設定された内容に従ってロボットの実行を行う機能、ロボットの実行スケジュール管理や動作履歴管理などの管理機能などで構成されています。動作設定を行う機能では、幅広い範囲でWindowsアプリケーションやWebアプリケーションなどに対する操作を監視し、自動的に操作を記録する機能を持っています。

RPAツール「UiPath」の操作記録のイメージ

RPAツール「UiPath」の操作記録のイメージ

また、操作を記録するだけではなく、1つ1つの操作を定義する機能も持っているので、多種多様なアプリケーションやアプリケーション間での連携など、広い範囲での操作を自動化することが可能となります。

但し、RPAツール毎にアプリケーションに対する操作の監視方法などの違いがあります。対象とするアプリケーションや環境が異なりますので、RPAツール選択時には注意が必要となります。

注:日本では業務でMac/Linuxのデスクトップ環境を利用していることは少ないと思いますが、Mac/Linuxをサポートしていない場合が多いので注意が必要です。

 

RPAツールの操作の監視方法

RPAツールのアプリケーションに対する操作の監視を行うための操作対象の認識方式としては、大別すると以下の3つに分かれています。

1)対象オブジェクト認識方式

対象となるWindows画面やWebアプリケーションのHTML/CSS構成を分析し、操作対象のオブジェクトを認識し、操作を記録する方式です。

但し、Windows画面やWebアプリケーションのHTML/CSS構成は、アプリケーション開発に利用しているライブラリやフレームワークなどが多種多様にわたっているため、オブジェクトを識別・認識が非常に難しくなっています。例えば、同じWindowsアプリケーションでもAアプリケーションではオブジェクトの識別・認識ができるが、Bアプリケーションではオブジェクトの識別・認識ができない状況が発生するなどの違いがあるので、事前の動作検証が必要となります。

2)文字イメージ認識方式

リモートデスクトップを利用したアプリケーションにおいては、画面イメージに対して操作を行う方式となるため、前記の対象オブジェクトを識別・認識することができません。そのため、操作対象となる項目のキャプション文字などをOCR技術を利用して識別し、識別された領域からの相対位置で操作対象項目を認識させるのがこの文字イメージ認識方式です。

OCR技術を利用した識別を行っているので、特にキャプション文字が日本語や中国語など画数が多い文字の場合に、認識率が100%とならない場合もあるようです。

また、ツールによっては最新のディープラーニングなどの機械学習を利用し、文字認識率を上げる仕組みを内蔵したものもあるようです。

3)アプリケーション画面内の相対位置による簡易認識方式

上記の対象オブジェクト認識方式や、文字イメージ認識方式にてうまく操作対象が認識できない場合における、アプリケーション画面内相対位置により操作対象の認識を行う簡易認識方式です。

この方式は操作対象のオブジェクトを十分に認識できているわけではないので、解像度が異なる環境での動作や、アプリケーションのバージョンアップなどによる画面レイアウト変更などの環境変化に対しての自動的な対応や、表示内容により表示レイアウトを動的に変更するようなアプリケーションに対しての利用制約がありますが、シンプルな仕組みのため、多くのアプリケーションに対して対応が可能となります。

 

本格的な業務自動化を設定する場合の違いは?

Excelマクロにしても、RPAツールにしても、前出の操作記録機能により簡単な業務の自動化を行うことが可能となります。しかし、本格的な業務の自動化を行う場合には、人間の判断によって何パターンもある操作記録の中から該当の操作記録を実行させることや、条件に合わせて何回も繰り返し操作記録を実行させることなどが発生しやすくなると思われます。実際に、一連の作業を自動的に行うために対象ファイル名などを動的に処理するための設定や、判断や繰返しなどを行うための設定を施す必要が出てきます。

ExcelマクロやVBAはプログラミングの知識が豊富な方向け

Excelマクロにおいては操作記録は全てVBAプログラミングとして記録されますので、対象ファイル名などを動的に処理するための設定や、判断や繰り返しなどを追加する際に、プログラミング言語にて処理を記述しなければなりません。ですので、プログラミング知識が少ない人には、それなりにハードルが高いのではないでしょうか?

Excel2016のマクロ記録(操作記録)例

Excel2016のマクロ記録(操作記録)例

RPAツールはプログラミングの知識が乏しくても理解しやすい

RPAツールでも、同様に判断や繰り返しを記述しなければなりませんが、Excelマクロと大きく異なる部分は、判断や繰り返しの記述をプログラミング言語にて記述させるのではなく、ツール内にある機能一覧から判断や繰り返しなど必要な機能を選択するだけで簡単に記述できるところにあります。

さらに、ツールによって一連の操作や判断、繰り返しなどをフローチャート形式で記述できるようになっていたり、操作対象の情報を画面のイメージが表示される仕組みを持っているものもあるので、プログラミング知識が少ない人にも、かなり理解しやすい仕組みになっております。

RPAツール「UiPath」によるWebアプリケーションの操作記録例

RPAツール「UiPath」によるWebアプリケーションの操作記録例

 

【まとめ】RPAツールはExcelマクロとは似て非なるもの

RPAツールは操作の自動記録と再現の仕組みを持つExcelマクロに似てはいるものの、対象とするアプリケーションの範囲や実用的な作業の自動化の作成容易性の面、メンテナンス性の面では大きく異なります。

また、本来RPAが目指すものは、IT専門家による伝統的なプログラミングベースの自動化ではなく、IT知識の少ない業務部門スタッフにより、直観的な操作で構築可能な自動化です。例えば、業務部門スタッフが未経験の新入社員をトレーニングするのと同様に、ソフトウェアロボットに対し直観的な方式で短時間にトレーニング(構築)することで自動化を実現することにあると思われます。

さらにRPAは、人間が実施していた定型業務の自動化にとどまらず、ディープラーニングなどの機械学習やAIなどを組み合わせた、非定型業務の自動化や非構造化情報(自然文など)の対応や、将来的には高度な人工知能との組みまわせにより作業の自動化のみならず、プロセスの分析・改善、意思決定までの自動化を目指しているようです。

現時点では、定型業務の自動化が中心となりますが、その部分だけでも価値のあるソリューションであると思われますので十分に活用してほしいと思います。

 

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本記事のご提供元

株式会社サン・プラニング・システムズ


株式会社サン・プラニング・ 【得意分野】
・業務の棚卸
・業務の可視化
・業務フロー型マニュアル構築
・内部統制文書作成/コンバート
・RPAツール導入支援/シナリオ構築