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【原因と結果とは?】意味・言い換え・現象との違いを業務の例で整理

【原因と結果とは?】意味・言い換え・現象との違いを業務の例で整理

仕事でミスやトラブルが起きたとき、「原因は何か」を正しくつかめないと、同じ問題が何度も起こります。この記事では、原因と結果の意味と言い換え、現象と原因の違いを、請求書の誤りなど身近な業務の例で整理し、原因を掘り下げる手順までを説明します。

この記事で分かること
  • 原因と結果の意味と、仕事で使える言い換え
  • 目に見える現象と、その奥にある原因の違い
  • 業務のトラブルから原因を掘り下げる4つの手順

原因と結果とは?意味と言い換え

原因とは、ある出来事を引き起こしたもとのことです。結果とは、そのもとから生じた出来事のことです。「AがあったからBが起きた」と言えるとき、Aが原因、Bが結果です。この結び付きを因果関係と呼びます。

仕事で使える言い換え

報告書や会議では、場面に合わせて言葉を選ぶと伝わりやすくなります。

言い換え向いている場面使い方の例
因果関係2つの出来事の結び付きを説明するとき入力の手順と誤りの件数に因果関係がある
要因と結果原因が1つに絞れないとき納期遅れの要因は3つある
原因と影響結果が広がっていく様子を示すとき設定の誤りが他部署の集計にも影響した
理由と結果人の判断や行動を説明するとき担当者が確認を省いた理由を聞く

原因・要因・理由・きっかけの違い

似た言葉ですが、指している範囲が違います。業務の振り返りでは、混ぜずに使い分けると話がかみ合います。

言葉意味請求書の誤りでの例
原因出来事を直接引き起こしたもと単価の登録が古いままだった
要因出来事に関わった要素の1つ。複数あることが多い月末の作業集中、確認者の不在
理由人がそう判断・行動したわけ急ぎの依頼で確認を後回しにした
きっかけ出来事が表に出た場面取引先からの問い合わせ

現象と原因の違いを業務の例で見る

トラブルが起きたときに最初に見えるのは「現象」です。現象は結果の一部で、原因そのものではありません。現象だけを直すと、しばらくして同じことが起こります。

現象・直接の原因・根本の原因

請求書の金額を誤って送ってしまった例で、3つの段階に分けて見てみます。

段階内容ここだけを直した場合
現象取引先に誤った金額の請求書が届いた請求書を再発行して終わる。次の月も起こり得る
直接の原因販売管理システムの単価が、値上げ前のままだったその単価を直す。別の商品で同じことが起こり得る
根本の原因値上げを決めてから単価を登録するまでの手順と担当が決まっていなかった手順と担当を決めると、同じ種類の誤りを防げる
市橋憲茂
現象を直す対応も、取引先への影響を止めるためには必要です。大切なのは、その場の対応と再発を防ぐ対応を分けて考えることです。

その場の対応(対症療法)と再発を防ぐ対応(根本対策)を分ける

現象への対応は「応急の処置」、根本の原因への対応は「再発の防止」です。報告書では、この2つを別の欄に書くと、何が済んで何が残っているかが一目で分かります。

ビジネスでは、現象だけを抑える対応を「対症療法」と呼びます。医療で、病気の原因ではなく熱や痛みなどの症状を和らげる治療を指す言葉が、仕事の場面にも広がったものです。対症療法は悪いものではなく、影響を早く止めるには欠かせません。問題になるのは、対症療法だけで終わり、同じトラブルが何度も起きる状態です。

対症療法(その場の対応)根本対策(再発を防ぐ対応)
向ける先目の前の現象現象を生んだ根本の原因
効き目すぐ効くが、同じことがまた起きる時間はかかるが、同じことが起きにくくなる
例(請求金額の誤り)誤った請求書を訂正して送り直す単価の変更を請求のデータに反映する手順と担当を決める
例(問い合わせの回答の遅れ)回答の遅れた案件に、ほかの担当者を応援に回す問い合わせの受付から回答までの流れを見直し、止まりやすい所の手順を変える

対症療法を繰り返していると気づいたら、その対応を「応急の処置」として済ませたうえで、次の章の手順で原因を掘り下げます。

報告書に分けて書く項目
  • 起きたこと … いつ・どこで・何件・どんな影響があったか
  • 応急の処置 … 影響を止めるために、すでに行ったこと
  • 原因 … 直接の原因と根本の原因
  • 再発の防止 … 手順や仕組みをどう変えるか、誰がいつまでに行うか

業務のトラブルから原因を掘り下げる手順

原因は、思い付きで決めると外れやすくなります。事実から順にたどると、関係者の納得も得やすくなります。

STEP

起きた事実を集める

いつ、どの作業で、何件起きたかを記録や画面で確かめます。人の記憶だけに頼らず、件数や日時など数字で残します。

STEP

業務の流れの中で起きた場所を特定する

業務フロー図があれば、どの作業で誤りが入り込み、どの作業で見逃されたのかを図の上で示します。図がなければ、関係する作業を順番に書き出すところから始めます。

STEP

原因の候補を出し、つながりを確かめる

人・手順・道具・情報の4つの観点で候補を出し、「それが無ければ結果は起きなかったか」を1つずつ確かめます。つながりが確かめられない候補は外します。

STEP

対策を決め、効いたかを測る

根本の原因に対する対策を決め、担当と期限を置きます。一定の期間をおいて、同じ種類の誤りの件数が減ったかを確かめます。

原因の候補を整理する原因マップ

候補が多いときは、結果を右端に書き、人・手順・道具・情報の4本の枝に候補を書き足していく図にまとめると、抜けや重なりが見えます。魚の骨の形に似ているため、特性要因図やフィッシュボーン図とも呼ばれます。

「担当者の不注意」を原因にして終わらせないようにします。不注意が起きても誤りにならない手順や仕組みになっているかを確かめるのが、再発を防ぐ近道です。

【原因を深掘りする手法を確認】業務改善の進め方とは?ECRS・なぜなぜ分析などの手法と5ステップを解説

原因と結果についてよくある質問

原因と結果は、ほかにどう言い換えられますか?

「因果関係」「要因と結果」「原因と影響」「理由と結果」などがあります。原因が1つに絞れないときは「要因」、人の判断を説明するときは「理由」を使うと、意味のずれが少なくなります。

原因と要因はどう使い分けますか?

原因は結果を直接引き起こしたもと、要因は結果に関わった要素の1つです。業務のトラブルでは要因が複数あることが多く、その中から結果を直接引き起こしたものを原因として特定します。

「対症療法」と「対処療法」はどちらが正しいですか?

もとの言葉は、症状に対する治療という意味の「対症療法」です。「対処療法」は「対処する」から生まれた書き方で、ビジネスの場面でもよく見かけますが、辞書に載っている表記は「対症療法」です。報告書などの文書では「対症療法」と書くか、「その場の対応」「応急の処置」と言い換えると誤解がありません。

同時に起きていることを原因と決めてよいですか?

同じ時期に起きているだけでは、原因とは言えません。たとえば繁忙期に誤りが増えても、作業量が原因なのか、繁忙期だけの特別な手順が原因なのかは分かりません。「それが無ければ結果は起きなかったか」を事実で確かめてから原因と決めます。

【まとめ】原因と結果を分けて考えると再発を防げる

原因と結果を区別し、目に見える現象の奥にある原因まで掘り下げると、同じトラブルの繰り返しを防げます。

  • 原因は出来事を引き起こしたもと、結果はそこから生じた出来事
  • 原因・要因・理由・きっかけは指す範囲が違う
  • 現象・直接の原因・根本の原因の3段階で考え、その場の対応と再発の防止を分ける
  • 事実を集め、業務の流れの中で場所を特定し、つながりを確かめてから対策を決める

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市橋 憲茂
市橋 憲茂(株式会社サン・プラニング・システムズ)
【業務プロセスの可視化・改善で20年】業務の見える化、業務シミュレーション分析による業務改善を推進。営業、コンサルタントを経て、現在はその価値を発信するマーケティング部門の責任者として、業務可視化の重要性を広く伝えながら、企業の改革を後押ししています。