
BPMN(ビーピーエムエヌ)は、業務の流れを決まった記号で描くための国際標準の書き方です。記号の意味がそろっているため、部署や会社が違っても同じように読めます。この記事では、BPMNとは何か、最初に覚えたい記号、業務フローをBPMNで描く手順を順番に説明します。
- BPMNとは何か、普通のフローチャートと何が違うか
- 最初に覚えたいBPMNの記号と意味
- 業務フローをBPMNで描く6つの手順
BPMNとは?業務の流れを描く国際標準の記法
BPMNは「Business Process Model and Notation」の略で、標準化団体のOMGが定めた業務プロセスの表記法です。現在使われているBPMN 2.0は、国際規格ISO/IEC 19510にもなっています。
普通のフローチャートとの違い
どちらも業務の流れを図にしますが、BPMNは記号の意味が細かく決まっている点が違います。
| 比べる点 | BPMN | 一般的なフローチャート |
|---|---|---|
| 記号の決まり | 国際標準で意味が決まっている | 会社や作成者ごとに決めることが多い |
| 表せること | 担当の分担、待ち、期限、例外、他社とのやり取りまで描ける | 処理の順番と分岐が中心 |
| 向いている場面 | 部署をまたぐ業務、システム化の検討、社外との共有 | 部署内の手順、手早く流れをつかみたいとき |
【実際の図を見て比べる】BPMN図のサンプル6選|業務フロー事例と読み方・選び方
BPMNの基本記号と意味
BPMNの記号はたくさんありますが、業務フローを描くだけなら、まず次の4つのまとまりを押さえれば足ります。
| まとまり | 記号 | 形 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 流れをつくる記号 | イベント | 円 | 業務の始まり・途中の出来事・終わり |
| タスク(アクティビティ) | 角の丸い四角 | 人やシステムが行う作業 | |
| ゲートウェイ | ひし形 | 流れが分かれる・合流する所 | |
| つなぐ記号 | シーケンスフロー | 実線の矢印 | 作業の順番 |
| メッセージフロー | 点線の矢印 | 別の組織とのやり取り | |
| 担当を分ける記号 | プール・レーン | 横長の枠 | 組織(プール)と、その中の担当(レーン) |
| 補足の記号 | データオブジェクト・注釈 | 紙の形・角かっこ | 使う書類やデータ、図への補足説明 |
分岐を表すゲートウェイの種類
ゲートウェイはひし形の中の印で種類を表します。業務フローでよく使うのは次の3つです。
| 種類 | 中の印 | 意味 | 業務の例 |
|---|---|---|---|
| 排他ゲートウェイ | ×(または印なし) | 条件に合う道を1つだけ進む | 金額が10万円以上なら部長承認、未満なら課長承認 |
| 並行ゲートウェイ | + | すべての道を同時に進む | 受注後に出荷準備と請求準備を同時に始める |
| 包含ゲートウェイ | ○ | 条件に合う道をいくつでも進む | 申込内容に応じて、配送・設置・研修のうち必要なものを手配する |
始まり・途中・終わりを表すイベント
イベントは円の線の太さで区別します。細い線の円が開始、二重線の円が途中、太い線の円が終了です。円の中に手紙や時計の印を入れると、「書類を受け取ったら始まる」「3日たったら督促する」のように、きっかけの種類まで表せます。

BPMNで業務フローを描く手順
ここでは、経費精算の業務を例に、BPMNで描く手順を6つに分けて説明します。
始まりと終わりを決める
「社員が経費を立て替えた」から「精算額が振り込まれた」まで、のように図の範囲を開始イベントと終了イベントで決めます。
担当ごとのレーンを置く
申請者・上長・経理など、作業をする担当ごとにレーンを並べます。担当が分かれると、誰の所で待ちが起きているかが見えます。
いつもの流れをタスクで並べる
まずは問題が起きない場合の流れだけを、左から右へ順番に並べます。タスク名は「申請書を作成する」のように、目的語と動詞で書きます。
分岐をゲートウェイで描く
「承認するか差し戻すか」のように判断がある所にゲートウェイを置き、出ていく矢印に条件を書きます。
例外や期限を足す
領収書が無い、期限を過ぎた、などの例外を中間イベントで足します。例外を後から足すと、いつもの流れが読みにくくなりません。
担当者と読み合わせる
描いた図を実際の担当者と開始から順に読み、抜けている作業や判断を直します。
1枚の図に業務全体を詰め込むと読めなくなります。タスクが20を超えるようなら、まとまりごとに図を分け、全体の図からはまとまりを1つのタスクとして参照します。
【業務フローの描き方の基本を確認】【業務フローの書き方】初心者でも5分でわかる!見やすく伝わる図の作り方
BPMNについてよくある質問
【まとめ】BPMNは少ない記号から始めて業務を共有する
BPMNは、業務の流れを誰が読んでも同じ意味で伝えるための共通の書き方です。
- BPMNはOMGが定めた業務プロセスの国際標準の表記法(ISO/IEC 19510)
- 記号は流れをつくる・つなぐ・担当を分ける・補足する、の4つのまとまり
- 始まりと終わり → レーン → いつもの流れ → 分岐 → 例外 → 読み合わせ、の順に描く
- まずはイベント・タスク・ゲートウェイ・レーンの4つから始める
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