
以前、「業務フローチャート」カテゴリーで『【業務全体の流れが分かりやすい】業務フローマニュアルとは?』という記事を公開しました。今回は「業務フローマニュアル」について、具体的な作成手順を解説します。(※本記事は業務可視化ツール『BPR+』の機能をベースに解説しています。)
「業務フローマニュアル」って何?という方は、まずはこちらの記事を御覧ください。
※『SOX+』でもほぼ同様の手順で業務フローマニュアルを作成することが出来ますが、『BPR+』とはメニュー名や項目名が異なっている部分があります。なお、『iGrafx FlowCharter』単体では機能的に実現できません。詳しくはお問い合わせ下さい。

業務フローマニュアルの作成の3つのステップ
『BPR+』を使用して業務フローマニュアルを作成する手順は、主に以下の3つのステップで構成されています。
- ステップ1.業務フローを書く
- ステップ2.各作業における詳細手順を記述する
- ステップ3.詳細手順の一覧を作成する
『BPR+』を活用することで、これらのステップを効率的に進めることができ、短時間で質の高い業務フローマニュアルを作成することが可能です。各ステップの詳細については、以降のセクションで具体的に解説していきます。この3つのステップを丁寧に実行することで、わかりやすく実用的な業務フローマニュアルを完成させることができます。
ステップ1.業務フローを書く
業務フローマニュアルの作成において、最初のステップは業務フローを描くことです。この段階では、業務の全体的な流れを視覚化し、各作業の順序や関係性を明確にします。業務フローを正確に描くことで、後続のステップがスムーズに進行し、より効果的な業務フローマニュアルを作成することができます。
業務フローを書く際には、プロセスの始まりから終わりまでを漏れなく記載することが重要です。また、各作業の担当部門や責任者を明確にし、決定ポイントや分岐点も適切に表現するよう心がけましょう。さらに、業務の流れを論理的に整理し、無駄な手順や重複するプロセスがないか確認することも大切です。
次の項目では、業務フローマニュアル作成における業務フロー作成のポイントを3つ紹介します。これらのポイントを押さえることで、より効果的で使いやすい業務フローマニュアルの基礎を築くことができます。
「業務詳細」の部門(レーン)を用意する
業務フローマニュアルを作成する際、各作業の詳細手順を業務フローと一緒に表示することが重要です。そのために、「業務詳細」という専用の部門(レーン)を事前に設けておくことをおすすめします。この「業務詳細」レーンは、業務フローの作成を進める際に、詳細手順を記載するためのスペースとして機能します。
この方法を採用することで、業務の流れと各作業の具体的な手順を同時に把握することができ、より分かりやすく実用的な業務フローマニュアルが完成します。また、後述の手順で詳細を追加する際にも、この「業務詳細」レーンが効果的に活用されることになります。

各作業図形に図形番号を振る
「業務詳細」の部門(レーン)に表示される各詳細手順が業務フロー上のどこの作業のものなのか分かるように、番号を振って紐付けます。

『BPR+』で業務フローを作成する場合、自動的に図形に番号が振られますが、業務フローを修正しているうちに順番が入り乱れることがありますので、任意の順番に振り直します。
この番号は「ステップ3.詳細手順の一覧を作成する」で使用しますので、番号の確認・振り直しは必ず実施するようにして下さい。
規定やマニュアルなど各作業における関連資料をリンクさせる
業務フロー上の各作業に関連する規定、マニュアル、帳票、雛形等の文書をリンクさせて、クリックで呼び出せるようにすることで、「見る」だけじゃなく「活用」できるマニュアルになります。これにより、業務フローマニュアルの実用性が高まり、現場での効率的な業務遂行をサポートします。また、関連文書へのアクセスが容易になることで、業務の正確性や一貫性も向上します。

業務フローマニュアルと規定文書等の関連文書をリンクさせ、
「使える」マニュアルとして実際に現場で活用している事例
→ 東京東信用金庫様『業務プロセスの可視化で現場の業務理解度が向上、
事務リスクを未然に防ぐ体制を実現』
ステップ2.各作業における詳細手順を記述する
業務フローを書き終えたら、各作業図形をダブルクリックして詳細ダイアログを開き、業務詳細手順を登録していきます。この段階で、作業の実施者や作業時の注意点、使用するツールなどの補足情報も併せて記入すると、より実用的な業務フローマニュアルとなります。また、詳細手順を箇条書きで記述することで、読みやすさと理解しやすさが向上します。
各作業図形に対して漏れなく詳細手順を記述することで、業務全体の流れと各作業の具体的な実施方法を一元化して管理できるようになります。

ステップ3.詳細手順の一覧を作成する
各作業図形に詳細手順を登録し終えたら、「業務詳細」の部門(レーン)に「複数内容表示図形」を置きダブルクリックします。ダイアログが開いたら作業の項目で全ての作業図形の番号が含まれるように数値を設定し、「OK」ボタンを押します。すると、詳細手順として登録した内容が作業図形の番号を伴って一覧で表示されます。

「業務詳細」表示の更新
業務フローや各作業図形の詳細手順を修正した場合は、「複数内容表示図形」を再度読み込み直す必要があります。手順は上記と同じです。(ダイアログで作業図形の番号が全て含まれていることを確認して「OK」ボタンを押す。)業務フローや詳細手順を修正した場合は、忘れずに「複数内容表示図形」も更新するようにして下さい。
これで、業務フローマニュアルの作成手順は終わりです。
完成した業務フローマニュアルのサンプル
下図は前項までの手順で作成した業務フローマニュアルのサンプルです。このサンプルでは、業務フローと詳細手順が一目で確認できるレイアウトになっています。左側に業務フローが配置され、右側の「業務詳細」レーンに各作業の詳細手順が記載されています。これにより、業務の全体像と個々の作業の具体的な実施方法を同時に把握することができます。
また、各作業図形には番号が振られており、この番号と詳細手順の番号が対応しているため、フローのどの部分の説明なのかが即座に理解できるようになっています。さらに、関連する規定やマニュアル、帳票などの文書へのリンクも設定されているため、必要に応じて詳細情報にアクセスすることも容易です。
このように、業務フローマニュアルは単なる文書ではなく、業務の可視化と詳細な手順の説明を組み合わせた、実用的で効果的なツールとなっています。

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業務フローマニュアルの作成に『BPR+』が選ばれる理由
本記事は『BPR+』を使用することを前提に解説してきました。業務フローマニュアルを作成するにあたり、『BPR+』の使用を推奨する理由は以下のとおりです。
- 誰でも素早く簡単に業務フローマニュアルを作成・修正できる
- メンテナンスが容易なので、市場環境の変化や内部規定の変更など社内外の環境変化によって変わっていく現場業務に合わせて、業務フローマニュアルを修正・運用できる
- 更なる活用に繋げられる
業務マニュアルは現場で使われるものなので、現場で作成・運用できることが大事です。また、現場業務は社内外の環境変化によって変わっていくものなので、それに合わせて修正できることも大事です。そして現場で作成・修正をしていく為には、その作業が簡単・低負荷であることが必須です。負荷が高ければ、マニュアルは修正されなくなり、実際の業務と乖離し、参照されなくなるからです。
継続的に業務マニュアルを運用していくためには効率的に作成・修正できることは非常に重要です。
更なる活用:作業実施チェックリスト
『BPR+』の使用を推奨する理由として挙げた「3.更なる活用に繋げられる」とは、『BPR+』の機能を利用した「作業実施チェックリスト」の作成です。『BPR+』なら作成した業務フローマニュアルからとても簡単に「作業実施チェックリスト」を作成することが出来ます。この機能により、業務の進捗管理や品質管理が効率的に行えるようになります。作業実施チェックリストは、各作業ステップの完了確認や重要なポイントの確認に役立ち、業務の標準化と品質向上に貢献します。
更新情報
2025/08/28 加筆修正をしました