こんにちは。サン・プラニング・システムズ 可視化コンサルタントの鈴木 裕です。
最近、BPMNの熱の高まりを感じることが多くなってきました。実際、弊社へBPMNを使用したフローチャート作成や、フローチャート作成ツールについてのお問い合わせが多くなってきています。
そこで、弊社が考えるBPMNのポイントと、BPMNを使用したフローチャート(業務プロセスモデル)作成に適したツールの紹介を2回にわたって行おうと思います。
今回は、弊社が考えるBPMNのポイントについてお話しします。
ポイント① BPMNは「言語」だ
以前(参照:第4回 BPMNを使いこなす)、BPMNは表記法というより言語と捉えたほうが適切であるとお話ししました。その理由は2つあります。
・文法が決まっている
・プログラム言語に近い性質を持つ
まず文法についてはご存じの方も多いとは思いますが、BPMNは国際標準規格として定義された表記法であり、ITシステムへの拡張機能も実装されています。そしてこのことがBPMNの左から右へ流れるフローの書き方や、スイムレーンの構成、図形の使い方の定義へとつながっています。すなわち決まり事、つまりは文法が存在し、文法を逸脱すると正しく機能しなくなってしまうという特徴を持っています。
BPMNは日本語や英語などと同じ「言語」と考えて使用することが必要であると私は考えています。
BPMNを「言語」として捉えると、改めて浮かび上がってくるものがあります。それはBPMNは英語や日本語のような自然言語ではなく、コンピュータープログラムのためのプログラミング言語に近いという実態です。
ただ、ここで皆様に認識していただきたいのは、「自然言語ではないから難しい」ということではなく、「自然言語とは異なる文法をもつ言語である」ということです。数種類の文法と構文さえ把握すれば、誰でもBPMNでフローチャートは記述できます。
(余談ですが、プログラム設計の経験があれば、BPMNはすぐに使いこなすことができると思います)
ポイント② モデリング視点に気をつける
BPMNの文法を理解し、図形の使い方も覚えていざフローチャートを書き出すという段になって、はたと手が止まってしまう方は意外に多いのではないでしょうか。
あるいは、フローチャートを書き上げたものの、図表ごとに記述粒度がバラバラで非常に読みづらくなってしまったという経験をお持ちの方も少なくはないかと思います。
弊社ではこのような問題に対処するため、経験に基づいた独自のモデリング視点をご案内しています。
BPMNは、業務をモデリングするための言語です。「業務をモデリング」するということは、ただ業務をフローチャートに書き表すのではなく、ブロックパズルのように「業務をブロック化し、組み合わせて表現する」ことを意味しています。ここでの「業務」は「業務プロセス」を意味しています。(業務プロセスについてはこのページの説明を参照してください)
企業の業務プロセスは、まさにブロックパズルのように一つ一つの小さな業務プロセスが組み合わさり、積み重なって構成されています。これをフローチャート化するには1つの視点だけでは不可能です。そこで、上図で案内したモデリング階層に従って業務プロセスを構築していく必要があるのです。
コツとしては、なるべく上位の、大きなくくりから細分化するように業務プロセスを分解していくことです。この方法を採用すると業務体系図も同時に作成されるので効率的です。
また、BPMNで業務をモデリングするときに重要なのは、「業務の実施者の視点」でフローチャートを記述することです。例えば、A部署からB部署へ帳票が回付され、B部署での処理後C部署へ帳票が回付されるという業務をB部署の視点で記述するとき、フローチャートにはB部署で実施される業務プロセスのみ記述すればよいということです。(A部署やC部署はブラックボックスのスイムレーンを置くだけで構いません)
ポイント③ 図形は全部使わなくていい
ポイント①で触れたように、BPMNには文法が存在し、図形も定義されたものを使用しなければなりません。ですが、必ずしも定義された図形を全て使用しなければならないわけではありません。なぜなら、細かいニュアンスを伝えるために図形のバリエーションが存在しているのであり、基本的なことは一部の図形だけでも十分表現できるからです。
そこで、私が推奨する「これだけあればBPMNでフローチャートが作成できる」図形を紹介しようと思います。ぜひ参考になさってください。
実際にBPMNを使用してフローチャートを作成するにあたり、圧倒的な生産性を約束するツールを弊社では取り扱っています。
「【効率重視派に推奨!】BPMNモデリングを支援する専用ソフトBPR+」もぜひ併せてお読みください。
株式会社サン・プラニング・システムズ
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