業務フローを書くにあたり分岐表現は必ずと言っていいほど登場します。この分岐を細かすぎず、粗すぎず、目的に沿った業務フローを書く為には、この分岐をどのように表現すれば良いのでしょうか。
業務フローの書き手によってはプログラミングのように細かく分岐させ過ぎていたり、逆に抽象的にかなり粗くまとめて書く人もいますが、業務に精通している人ほど、より細かく厳密に表現しようとして分岐を多用する傾向があります。
今回は業務フローにおける分岐の表現について、4つの具体例を用いて解説します。
分岐図形の使用頻度は業務フローの目的に合わせて
業務フロー上に分岐図形が多くなるほど、業務フローは読み手にとって理解が難しいものになります。作成する業務フローの目的に合わせて分岐図形の使用頻度を調節しましょう。
【ポイント】
「業務の流れを把握すること」が目的なら、なるべく分岐図形は少なくする
業務フローの目的が「業務の流れを把握すること」である場合は、業務の流れの理解の為に必要な箇所のみ分岐図形を使うようにしましょう。
【ポイント】
「作業手順を把握すること」が目的なら、手順の重要な違いは分岐図形で明示
例えば、業務マニュアルのように「業務フローの目的=作業手順を把握すること」であれば、明確に作業手順が分かれる部分を分岐図形で明示しましょう。
ただし、あらゆる手順の違いを分岐図形で表現しようとすると、かえって伝わらない業務フローになってしまいます。一個の作業の中に細かい違いがある場合は、無闇に分割せず箇条書きなどで横に説明を付けておくようにしましょう。
条件分岐の表現方法:4つの具体例
1.判断や作業を伴わない分岐
判断や確認の作業が不要なケース。
分岐図形は、実際に作業手順が分かれる直前の場所に配置して分岐点とします。
2.属性・条件の複雑な分岐
属性・条件が多い場合は二分岐(主にYes/Noによる分岐)を重ねるのではなく、ひとつの分岐にまとめることで分かりやすくなります。
3.セルフチェック
セルフチェック(確認作業とそれに伴う訂正作業を同じ人が実施する場合)は、単純な手戻りであれば、思い切って省略してしまいましょう。
4.標準作業として実施される不備処理
ほぼ標準作業として高頻度で不備訂正・追加作業(例:情報の追記)等を行っている場合は、分岐させるのではなく、不備処理を標準の作業として業務フロー上に明記してしまう方が現実をよく表します。
【まとめ】分岐の表現方法
業務フローには、業務の流れが分かりやすく表現されることが大事
分岐表現は業務の流れを表す上で必要なものですが、業務における全ての条件分岐を網羅しようとして、フローチャートの良さを失ってしまっては意味が有りません。フローチャートの良さは、誰が見ても分かりやすく、業務の流れを把握しやすいことです。
分かりやすい業務フローを作成する為の3つのポイント
- 分岐はむやみに多用しない
- 目的に合わせて分岐が必要かどうか考える
- 細かい処理は分岐ではなく、箇条書きなどで横に説明として記述する
これから業務フローを作成される方は、上記の3つのポイントと、前項の4つの例を参考にされることをおすすめします。
業務可視化NOTE 運営事務局 編集担当