
業務フローチャートを作成する際には、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが大切です。フローチャートは、複雑な業務プロセスを視覚化し、効率化するための強力なツールです。
まず、業務フローの目的を明確に理解することが重要です。フローチャートの主な目的は、目に見えにくい仕事の流れを可視化し、関係者間で共有することです。これにより、業務プロセスの改善や効率化につながります。
フローチャート作成時には、「誰が」「いつ、何をきっかけに」「どんな作業を」「どういう場合に」という4つの要素を十分かつ簡潔に表現することが求められます。これらの要素は、業務を把握する上で不可欠であり、どのような活用シーンでも欠かすことはできません。
「誰が」の要素は、部門(スイムレーン)を使って表現します。会社、部門、チーム、役職などを明確にし、職務分掌を視覚的に示すことが重要です。階層表現を用いることで、組織構造をより明確に表現できます。
「いつ、何をきっかけに」「どんな作業を」「どういう場合に」の要素は、適切な図形(記号)を用いて表現します。フローチャートの基本的な図形には、開始・終了図形、プロセス・処理図形、判断図形などがあります。これらの図形を使いこなすことで、業務の流れを正確に表現できます。
業務フローチャートの作成では、使用する図形の種類を必要最小限に抑えることが望ましいです。図形の種類が多すぎると、読み手にとって理解が困難になる可能性があります。基本的な図形を効果的に使用し、シンプルで分かりやすいフローチャートを心がけましょう。
最後に、フローチャートの作成後は、関係者との共有と確認を行うことが重要です。これにより、業務プロセスの認識を統一し、改善点の発見にもつながります。定期的な見直しと更新も忘れずに行い、常に最新の業務フローを維持しましょう。
以上のポイントを押さえることで、効果的な業務フローチャートを作成し、業務の可視化と効率化を実現することができます。

業務フローチャートを書く前に押さえておきたいポイント
【ポイント①】業務フローの目的を考える

業務フローチャートを作成する目的は、目に見えづらい仕事の流れを可視化し、関係者間で認知・共有できるようにすることです。効果的なフローチャートの書き方では、「誰が」「いつ、何をきっかけに」「どんな作業を」「どういう場合に」行っているかを十分かつ簡潔に表現することが求められます。これら4つの要素は、業務プロセスを把握する上で最も重要であり、業務フローチャートのどんな活用シーンにおいても欠かすことはできません。
フローチャートの作成においては、まず目的を明確にすることが大切です。例えば、業務の効率化、新人教育、マニュアル作成、システム開発などの目的によって、フローチャートの詳細度や表現方法が変わってきます。また、フローチャートの書き方を工夫することで、複雑な業務プロセスも分かりやすく表現できます。
業務フローチャートを作成する際は、以下の点に注意しましょう:
- 簡潔性: 必要最小限の情報を含め、シンプルに表現する
- 正確性: 業務の流れを正確に反映させる
- 一貫性: 使用する記号や表現方法を統一する
- 見やすさ: 適切なレイアウトや色使いで視認性を高める
これらのポイントを押さえることで、効果的な業務フローチャートを作成し、業務の可視化と改善に役立てることができます。フローチャートの書き方を習得することで、組織全体の業務効率化にも貢献できるでしょう。
【ポイント②】「誰が」は部門(スイムレーン)で表現する

4つの要素の一つ「誰が」は、部門(スイムレーン)を使って表現します。階層表現も用いながら、会社、部門、チーム、役職など明確にし、職務分掌を視覚的に表現します。フローチャートを作成する際、この「誰が」の要素は非常に重要です。
業務フローチャートにおいて、スイムレーンを使用することで、各タスクや工程の担当者や部門を明確に示すことができます。これにより、業務の流れだけでなく、組織構造や責任の所在も一目で把握できるようになります。
例えば、営業部門、経理部門、人事部門などの各部門をスイムレーンで分け、それぞれの業務プロセスを配置することで、部門間の連携や業務の流れを視覚的に理解しやすくなります。また、役職レベルでのスイムレーン分けも効果的で、一般社員、管理職、経営層などの職階ごとの業務や決裁プロセスを明確に示すことができます。
フローチャートの書き方において、このようなスイムレーンの活用は、業務の効率化や改善点の発見にも役立ちます。部門間の業務の重複や、不必要な工程の洗い出しなどにも効果的です。
したがって、フローチャートを作成する際は、「誰が」という要素を適切に表現するために、スイムレーンを効果的に活用することが重要です。これにより、より分かりやすく、実用的な業務フローチャートを作成することができます。
【ポイント③】必要な図形(記号)を絞り込む

4つの要素の内、「いつ、何をきっかけに」「どんな作業を」「どういう場合に」は、図形を用いて表現します。
言い換えれば、業務フローチャートを書く為に必要な図形は、最低でも3種類あれば良いことになります。
業務フローを書く為に何種類の図形があれば良いのか?業務フローの目的を考慮した上で考えてみましょう。フローチャートの作成においては、シンプルさと明確さが重要です。多くの図形を使用すると、かえって読み手の理解を妨げる可能性があります。
そこで、基本的な3種類の図形(開始・終了、プロセス、判断)を使用することで、効果的なフローチャートを作成できます。これらの図形を使いこなすことで、業務の流れを視覚的に表現し、関係者間での共有を促進できます。
ただし、業務の複雑さや特殊性によっては、追加の図形が必要になる場合もあります。例えば、データベースやドキュメントを表す図形などです。しかし、図形の種類を増やす際は、その必要性を十分に検討し、フローチャートの可読性を損なわないよう注意が必要です。
最終的には、業務フローチャートの目的と対象読者を考慮し、適切な図形の選択と使用を心がけましょう。シンプルで分かりやすいフローチャートは、業務の効率化とコミュニケーションの改善に大きく貢献します。
【1】3つの基本図形
業務の流れを表現するためには、最低限3つの基本図形があれば十分にフローチャートを書くことができます。これらの図形を使用することで、効率的かつ分かりやすい業務フローチャートを作成することが可能です。
フローチャートの書き方において重要なのは、複雑な図形を多用することではなく、シンプルな図形を用いて業務の流れを明確に表現することです。そのため、以下で紹介する3つの基本図形を適切に活用することが、フローチャート作成の基本となります。
- 開始(終了)図形:プロセスの開始と終了を示す図形です。
- プロセス・処理図形:具体的な作業や処理を表す図形です。
- 判断図形:条件分岐を表現する図形です。
これら3つの基本図形を使いこなすことで、多くの業務プロセスを効果的に表現することができます。フローチャートの書き方を学ぶ際は、まずこれらの基本図形の使用方法を習得することが重要です。
また、フローチャートを作成する際は、業務の流れを論理的に整理し、各ステップを適切な図形で表現することが大切です。これにより、業務プロセスの可視化が実現し、関係者間での共通理解が促進されます。
次のセクションでは、これら3つの基本図形について詳しく解説していきます。それぞれの図形の特徴や使用例を学ぶことで、より効果的なフローチャートの作成スキルを身につけることができるでしょう。
開始(終了)図形

フローチャートを作成する際、プロセスの開始と終了を表す重要な図形です。「端子」とも呼ばれるこの図形は、業務フローの始まりと終わりを明確に示す役割を果たします。
フローチャートの書き方において、この図形は通常、楕円形や角丸の長方形で表現されます。業務フローの開始時には、この図形を配置し、業務を始めるきっかけ(トリガー)となる事象を記述します。例えば、「申込書到着」「〇〇社からの電話連絡」「毎月第二月曜日」などが該当します。
フローチャートの作成過程で、この図形を適切に使用することで、業務の開始点を明確にし、全体の流れを把握しやすくなります。また、終了時にも同様の図形を用いることで、プロセスの完了を明示できます。
業務フローチャートの作成において、この図形を効果的に活用するためのポイントは以下の通りです:
- いつ(タイミング、条件)
- 何をきっかけに(行為、媒体)
- 誰が
これらの要素を明確に記述することで、業務の開始時点を正確に理解し、フローチャート全体の流れをより分かりやすく表現することができます。フローチャートの書き方を学ぶ際は、この開始(終了)図形の重要性を十分に理解し、適切に活用することが大切です。
「申込書到着」「〇〇社からの電話連絡」「毎月第二月曜日」
業務がどうやって始まるかを正確に理解する為に、以下のポイントを押さえることが重要です。
- いつ(タイミング、条件)
- 何をきっかけに(行為、媒体)
- 誰が
プロセス・処理図形(記号)

フローチャート作成で最もよく使われる記号で、一般的な処理、フローチャートの一つのステップを表現します。この図形は、業務フローチャートにおいて中核となる要素であり、具体的な作業内容や手順を示すために使用されます。
例えば、「稟議書作成」「起票内容確認」「振込依頼書送付」などの業務プロセスを表すのに適しています。フローチャートを書く際は、この処理図形を活用して、各ステップの流れを明確に示すことが重要です。
また、この図形を用いることで、業務の効率化や改善点の発見にも役立ちます。フローチャートの書き方において、この処理図形は欠かせない要素であり、適切に配置することで、複雑な業務プロセスも分かりやすく表現することができます。
「稟議書作成」「起票内容確認」「振込依頼書送付」
判断図形(記号)

一般に「Yes/No」あるいは「真/偽」が答えとなる判断を表すフローチャート記号です。業務フロー図を作成する際に、プロセスの分岐点を示すために使用されます。この図形は通常、ひし形(ダイヤモンド形)で表現され、フローの流れを制御する重要な役割を果たします。
「申込書の不備有無」
判断する場面は業務上多く存在しますが、他図形に分岐を記述し、この記号を極力使用しない方が業務フローはすっきりとします。ただし、重要な意思決定ポイントや条件分岐を明確に示したい場合には、適切に使用することで、フローチャートの可読性を向上させることができます。
フローチャート作成時は、この判断図形を効果的に配置することで、業務プロセスの論理的な流れを視覚的に表現できます。しかし、過度に使用すると図が複雑になる可能性があるため、必要最小限の使用を心がけましょう。
【サンプルを見てみよう】3つの図形だけで書いた業務フローチャート
これら3つの基本的な図形を使用すれば、業務の流れを明確かつ効果的に表現することができます。フローチャートの書き方において、これらの図形は不可欠な要素です。
下記の業務フローチャートのサンプルは、先ほど説明した3つの図形(開始・終了図形、プロセス・処理図形、判断図形)のみを使用して作成したものです。このシンプルな構造により、業務プロセスの可視化が容易になり、関係者間での共有がスムーズに行えます。
フローチャートの作成手順としては、まず開始図形で業務の始まりを示し、次にプロセス・処理図形で各作業ステップを表現します。そして、必要に応じて判断図形を用いて分岐点を示し、最後に終了図形で業務の完了を表します。
このようなシンプルな図形の組み合わせでも、複雑な業務フローを効果的に表現できることがわかります。フローチャートの例を参考にしながら、自社の業務プロセスを図式化してみることをおすすめします。
(※画像をクリックすると拡大表示されます。)
【2】必要に応じて追加すべき図形(記号)
フローチャートを作成する際、基本的な図形だけでなく、業務の複雑さや詳細度に応じて追加の図形を使用することが有効です。これらの追加図形は、フローチャートの可読性を高め、より正確に業務プロセスを表現するのに役立ちます。
特に重要な追加図形として、「接続・オフページ結合子・ページ外結合子図形」と「サブプロセス・既定義のプロセス・定義済み処理・サブルーチン図形」があります。これらの図形を効果的に使用することで、複雑なフローチャートを整理し、理解しやすくすることができます。
例えば、長大なフローチャートを作成する場合、「接続・オフページ結合子・ページ外結合子図形」を使用することで、複数ページにまたがる業務の流れを明確に示すことができます。この図形は、ページ間の関連性を視覚的に表現し、フローチャートの連続性を保つのに役立ちます。
一方、「サブプロセス・既定義のプロセス・定義済み処理・サブルーチン図形」は、繰り返し使用される処理や、詳細な説明が必要な部分を別途記述する際に有用です。この図形を使用することで、メインのフローチャートをシンプルに保ちつつ、必要に応じて詳細な情報にアクセスできるようになります。
これらの追加図形を適切に使用することで、フローチャートの構造化が進み、業務プロセスの全体像と詳細の両方を効果的に表現できます。ただし、図形の種類を増やしすぎると、かえって理解を難しくする可能性があるため、必要最小限の図形を選択して使用することが重要です。
接続・オフページ結合子・ページ外結合子図形(記号)

長いフローチャートなど、後工程の作業をページを跨いで記載しなければならない場合に使用します。参照しやすいよう、記号内にページ番号をふります。複雑度の高いフローチャートでしばしば用いられます。
この図形は、業務フローチャートの書き方において重要な役割を果たします。フローチャートの作成時に、1枚のページに収まりきらない場合や、複数のプロセスを関連付ける必要がある際に有効です。
例えば、大規模なプロジェクトや複雑な業務プロセスを表現する際に、この図形を活用することで、フローチャート全体の可読性と理解度を向上させることができます。
「別紙の○○参照」「次ページへ続く」「プロセスAへ戻る」
サブプロセス・既定義のプロセス・定義済み処理・サブルーチン図形(記号)

一部の処理を別の業務フローチャートに分けて作成する場合に使用します。全ての業務を1枚にまとめると長くなるので、この記号で分けて記載します。フローチャートの書き方において、この図形は非常に重要な役割を果たします。
※サブルーチン…随時利用される目的の決まった小さなプログラムのことで、様々な場面で利用できる処理手順をひとまとめにしたものです。図形の中に定義済み処理名を書いて使います。
該当の作業(工程)に対して詳細な手順・処理の流れを別の業務フロー(同じドキュメントの別のページなど)で書き表している場合、それを明示するために使用します。この図形を使うことで、フローチャートの全体構造がより分かりやすくなります。
業務フローが長く複雑な場合、この記号を使って分けて記載すると便利です。特に大規模なプロジェクトや複雑な業務プロセスを表現する際に、フローチャートの書き方として効果的です。
【3】その他様々な図形(記号)
上記の図形以外にも業務フローチャート作成の目的に応じて様々な図形を追加する場合があります。これらの図形は、フローチャートの書き方をより詳細に表現するために使用されます。例えば、データの保管や入力方法、システムとの連携などを明確に示すことができます。
フローチャートの書き方において、これらの追加図形を適切に使用することで、業務プロセスの可視化がより正確になります。ただし、フローチャートを複雑にしすぎないよう注意が必要です。
以下に、よく使用される追加図形をいくつか紹介します。これらの図形を効果的に活用することで、フローチャートの表現力を高めることができます。各図形の特徴と使用方法を理解することが、優れたフローチャートを作成するコツとなります。
保存・保管図形(記号)

業務フローチャートにおいて、帳票や書類などを保管する場合に使用する図形です。この記号は、文書やデータの保存・保管プロセスを視覚的に表現するのに適しています。フローチャートの書き方において、この図形は重要な役割を果たします。
例えば、請求書の保管や顧客情報の保存などの業務プロセスを示す際に活用できます。
また、この図形を使用することで、情報の管理や追跡が必要な箇所を明確に示すことができ、業務の効率化やコンプライアンスの向上にも寄与します。
フローチャートを作成する際は、この保存・保管図形を適切に配置することで、業務の流れをより正確に表現することができます。
手動インプット・手操作入力・手動入力図形(記号)

業務フローチャートにおいて、手動インプット・手操作入力・手動入力図形(記号)は、業務手順に対するキーボードやデバイス経由のデータの手動入力など、手で操作して入力するあらゆる媒体上のデータを表します。この図形は、フローチャートの書き方において重要な要素の一つです。
例えば、ID・パスワード入力などユーザーがデータの手動入力を促されるログイン処理手順や、オンライン鍵盤、スイッチ、ライトペン、バーコードなどの入力操作を示す際に使用されます。これらの入力方法は、業務プロセスの中で人間の介入が必要な箇所を明確に示すのに役立ちます。
フローチャートの作成時には、この図形を適切に配置することで、業務の流れをより正確に表現できます。特に、システムと人間のインタラクションが頻繁に発生する業務プロセスでは、この図形の使用が効果的です。
また、手動入力図形は、業務の効率化やシステム化を検討する際の重要な指標にもなります。手動入力が多い箇所は、将来的な自動化やシステム化の候補として注目されることがあります。
このように、手動インプット図形は、フローチャートの書き方において、人間の作業を明確に示す重要な役割を果たしています。適切に使用することで、業務プロセスの可視化と改善に貢献することができます。
ID・パスワード入力などユーザーがデータの手動入力を促されるログイン処理手順
オンライン鍵盤、スイッチ、ライトペン、バーコードなど
システム・磁気ディスク・データベース図形(記号)

処理の情報がデータとして保存されることを表します。フローチャートにおいて、この図形は重要な役割を果たします。システムやデータベースへのアクセス、データの保存や取得などの操作を示すのに使用されます。
例えば、顧客情報管理システムへのデータ入力や、在庫管理データベースからの情報取得などを表現する際に適しています。また、クラウドストレージやサーバーへのデータバックアップなどの操作も、この図形を用いて表すことができます。
フローチャートの作成時には、この図形を適切に配置することで、データの流れや保存場所を明確に示すことができ、業務プロセスの可視化に役立ちます。
磁気テープ・順次アクセス図形(記号)

順次アクセスだけ可能なデータを表すフローチャート記号です。この図形は、データの読み書きが一定の順序でのみ行われる磁気テープやテープドライブなどの記憶媒体を表現するのに使用されます。フローチャートを作成する際、この記号を用いることで、データの保存や読み取りの方法が順次的であることを明確に示すことができます。
業務プロセスにおいて、バックアップデータの保管やログファイルの記録など、順次的なデータ処理が必要な場面で活用されます。この図形を使うことで、フローチャートの読み手は、そのステップでのデータアクセスが順次的であることを即座に理解できます。
磁気テープや順次アクセスの特徴として、ランダムアクセスと比べて特定のデータへのアクセス速度は遅いものの、大容量のデータを連続的に読み書きする際には効率的である点が挙げられます。このため、大規模なデータバックアップやアーカイブ処理のフローを描く際に、この記号が重要な役割を果たします。
フローチャート作成時は、この記号を適切に使用することで、業務プロセスにおけるデータの扱い方をより正確に表現できます。特に、ITシステムの設計や業務改善のための分析を行う際、データの保存方法や読み取り方法を明確に示すことが重要となります。
磁気テープとはこのようなものです。
↓
参考:http://crimson-systems.com/flowchart/dvc04.htm
※順次アクセス…記憶媒体のデータを先頭から順序どおりに読み込みや書き出しをするアクセス方法です。
日本工業規格(JIS)で決められている【情報処理用流れ図記号】で用いられる図形です。磁気テープなどの記憶媒体にアクセスする際の方法のひとつで、保存されているデータを記録開始位置から順番に読み込む、新たにデータを保存する際には、先頭から順番に書き込むこと。
順次アクセスでは、インデックスを作成することにより、目的のデータまで効率的にたどりつくことができるようになる。ただし、インデックスがない場合は、ビデオテープを早送りするように、目的のデータの部分まで順を追って探す必要がある。
なお、順次アクセスに対して、記憶媒体の特定の部分にデータを保存したり、あるいは目的の部分だけを読み出す方法は「ランダムアクセス」と呼ばれ、CDやDVDなどに用いられる方法である。
内部ストレージ・内部記憶図形(記号)

ソフトウェア設計のマッピング(対応付け)にしばしば用いられ、内部メモリに格納されたデータを示します。フローチャートにおいて、この図形は主にコンピュータシステムの内部処理を表現する際に使用されます。
例えば、プログラムの実行中に一時的にデータを保存する変数や、キャッシュメモリなどの高速アクセス可能な記憶領域を表すのに適しています。業務フローチャートを作成する際、システムの内部動作を詳細に示す必要がある場合に、この図形を活用することで、データの流れをより明確に表現できます。
ただし、一般的な業務プロセスを描く場合は、この図形の使用頻度は比較的低くなる傾向があります。フローチャートの目的と対象読者を考慮し、適切に使用することが重要です。
インプット・アウトプット・入出力・データ図形(記号)

入出力が可能なデータ、使用または生成されるリソース(資源)を表す記号です。フローチャートの作成において、この図形は重要な役割を果たします。
例えば、データの入力や出力を示す際に使用され、業務プロセスの中でデータがどのように流れるかを視覚的に表現します。この図形を使用することで、フローチャートの読み手は、どの段階でデータが入力され、どの段階で出力されるかを容易に理解することができます。
また、この図形は、データベースやファイルなどの外部データソースとの相互作用を示す際にも有効です。フローチャートを書く際には、この図形を適切に配置することで、業務フローの全体像をより明確に把握することができます。
ドキュメント・書類・帳票図形(記号)

請求書・稟議書・会計伝票などといった書類や帳票(=人間が読める媒体上のデータ)を表します。作業に応じて発生するため、作業の図形と重ねて表記することが多いです。フローチャートにおいて、この図形は重要な役割を果たします。業務プロセスの可視化において、文書や報告書などの書類の流れを明確に示すことができるからです。
例えば、見積書や契約書などの重要書類の作成や承認フローを表現する際に使用されます。
また、電子文書管理システムとの連携を示す際にも有効です。フローチャート作成時は、この図形を適切に配置することで、文書の作成、確認、承認、保管といった一連の流れを効果的に表現できます。特に、ISO9001などの品質マネジメントシステムの文書化された情報の管理を表現する際には、欠かせない図形となります。
準備・手作業図形(記号)

その後の動作に影響を与える準備・命令を表すフローチャートの図形です。この記号は、業務フローチャートを書く際に重要な役割を果たします。
例えば、会議の準備や資料の整理など、本格的な作業に入る前の事前準備を示すのに適しています。フローチャートの書き方において、この図形を使用することで、業務の流れをより詳細に表現できます。特に、手作業による準備が必要な場合や、システム操作の前に行うべき手順がある場合に有効です。
また、この図形を用いることで、業務プロセスの可視化がより明確になり、効率的な業務改善にも繋がります。フローチャートの作成時には、この準備・手作業図形を適切に配置することで、業務の全体像を把握しやすくなります。
遅延・延期図形(記号)

フローチャートにおいて、動作が完了しない待機期間を示す図形です。業務プロセスの中で発生する遅延や延期を視覚的に表現するのに適しています。この図形を使用することで、フローの中断や一時停止が必要な箇所を明確に示すことができます。
例えば、承認待ちや書類の処理待ち、システムの応答待ちなど、業務フローの中で時間がかかる部分を表現する際に有効です。フローチャート作成時には、この遅延・延期図形を適切に配置することで、業務の流れや所要時間をより正確に把握することができます。
また、この図形を使用することで、業務改善の機会を特定しやすくなり、効率化を図る際の参考にもなります。
手動操作・手作業図形(記号)

自動でなく手動で行う必要のある手順を示すフローチャート記号です。この図形は、業務プロセスにおいて人の介入が必要な作業や、機械的に処理できない手順を明確に表現します。フローチャートを書く際に、この記号を適切に使用することで、作業の性質や必要なスキルセットを明確に示すことができます。
例えば、以下のような手作業や手動操作を表現する際に使用されます
- 書類への手書き入力
- 物理的な製品の組み立て
- 目視による品質チェック
- 手動での計算や測定
- 顧客との対面での対応
この図形を使用することで、業務フローの中で人的リソースが必要な箇所を明確に示すことができ、作業の効率化や自動化の検討にも役立ちます。フローチャートを作成する際は、この手動操作・手作業図形を適切に配置し、業務プロセス全体の流れを正確に表現することが重要です。
修正テープによる資料修正
【まとめ】良い業務フローを作成する為に
良質な業務フローチャートを作成するためには、いくつかの重要なポイントがあります。まず、フローチャートの書き方において、図形(記号)の種類を必要以上に増やさないことが大切です。多様な図形を用いることで正確な表現を目指しがちですが、過度に複雑化すると読み手にとって理解が困難になります。
次に、フローチャートの作成において最も重要なのは、業務プロセスを説明する要素が適切に表現されているかどうかです。図形の形状自体はさほど重要ではありません。むしろ、各図形がどのような要素を表現しているかが本質的な意味を持ちます。
特に、業務フローチャートで絶対に欠かせない3つの要素があります。それは「いつ、何をきっかけに」「どんな作業を」「どういう場合に」です。これらの要素を漏れなく表現するために、少なくとも開始・終了図形、作業図形、分岐図形の3種類の基本的な図形が必要となります。
業務フローチャートを初めて作成する方は、「部門」(スイムレーン)と「3つの基本図形」、そしてこれらが表す要素に焦点を当てて作成することをおすすめします。このアプローチにより、シンプルかつ効果的なフローチャートを作成することができます。
最後に、フローチャートの作成過程では、業務の流れを可視化し、関係者間で共有できるようにすることが目的であることを忘れないでください。この目的を念頭に置きながら、適切な図形と要素を選択し、明確で理解しやすい業務フローチャートを作成することが重要です。
図形(記号)の種類を増やし過ぎない

フローチャートを作成する際は、図形(記号)の種類を必要以上に増やさないことが重要です。業務フローチャートの書き方において、多様な図形を用いてより詳細に業務を表現しようとする傾向がありますが、これは必ずしも効果的ではありません。図形の種類が増えるほど、フローチャートの読み手には書き手の意図が伝わりにくくなる可能性があります。
シンプルな図形を使用することで、業務の流れを視覚的に把握しやすくなります。例えば、基本的な図形である「開始・終了」「プロセス・処理」「判断」の3つを中心に使用することで、多くの場合十分な表現が可能です。これらの基本図形を効果的に組み合わせることで、複雑な業務プロセスでも明確に表現できます。
また、フローチャートの書き方において、図形の種類を制限することで、作成者間での統一性も保たれます。これにより、組織全体で一貫性のある業務フローチャートを作成することができ、部門間やプロジェクト間での情報共有がスムーズになります。
ただし、業務の特性によっては、追加の図形が必要になる場合もあります。そのような場合は、「接続・オフページ結合子」や「サブプロセス」などの補助的な図形を適切に使用することで、フローチャートの理解しやすさを損なわずに必要な情報を盛り込むことができます。
重要なのは、フローチャートの目的に応じて、最適な図形の組み合わせを選択することです。過度に複雑化を避け、簡潔かつ明確な業務フローチャートを作成することで、効果的なコミュニケーションツールとして活用することができます。
図形(記号)の形が重要なのではなく、業務を説明する要素が業務フロー上にきちんと表現されることが重要

フローチャートにおいて、図形の形自体は本質的にはそれほど重要ではありません。むしろ、使用する図形に対してどういう要素を持たせるかが重要です。業務フローチャートの書き方では、各図形に適切な情報を盛り込むことが大切です。そして、図形に持たせる要素として絶対に外してはならないのが「いつ、何をきっかけに」「どんな作業を」「どういう場合に」の3つの要素です。これらの要素を書き漏らさないために、開始・終了図形、作業図形、分岐図形の3つは最低限必要な図形となります。
フローチャートの作成において、これらの要素を適切に表現することで、業務の流れを正確かつ分かりやすく示すことができます。例えば、「いつ、何をきっかけに」は開始図形で、「どんな作業を」は処理図形で、「どういう場合に」は判断図形で表現することが一般的です。
業務フローチャートを書く際は、これらの基本的な図形を使いこなし、業務の各ステップを論理的に配置することが重要です。また、フローチャートの読み手にとって理解しやすい構成を心がけることも大切です。適切な図形の選択と要素の表現により、効果的な業務フローチャートを作成することができます。
更新情報
2025/08/29 見出しの一部を変更&解説画像を追加しました
2025/08/28 加筆修正&レイアウト調整をしました