【AIで何ができるか】機械学習の事例>会員の解約・退会を事前に防止

【AIで何ができるか】機械学習の事例>会員の解約・退会を事前に防止

AIを使って何ができるのか、具体的な事例を知りたいという方が多くおられると思います。今回は、BtoC向けの月額課金(サブスクリプション)型のビジネスを推進する企業での、会員の解約・退会を防止するためにAI・機械学習を活用した事例をご紹介いたします。

 

月額課金(サブスクリプション)型のビジネスでは、如何に解約を抑えられるかがビジネスのカギに

昨今、映像などのコンテンツ配信サービスをはじめ、様々なサブスクリプション型のサービスが普及してきましたが、これらを提供している主にBtoCのビジネスを推進している企業では、この獲得した会員の解約をいかに抑えられるかが大きな課題となっています。

このようなスタイルのビジネスにおいて、新規会員の獲得には多くの広告やキャンペーンへの投資が図られています。また、市場の競争激化も伴って、新規会員の獲得のための単価=顧客獲得単価(CPA)も上昇しています。

せっかく獲得できた会員がすぐに解約となってしまうと、これらの投資の価値が下がるだけでなく、ビジネスとして継続的な収益の確保に繋がっていきません。

このような事情から、最近では新規会員の獲得だけでなく、解約の防止策、いわゆる「離反防止策」についても、積極的に投資が議論されるようになってきました。

 

離反防止策の策定には、まずデータの収集/原因分析が必須

離反防止策の策定には、まずデータの収集/原因分析が必須<

この「離反防止策」が重要であると判断した企業の第一歩はデータの収集と分析です。なぜ会員が離反してしまうのか。離反してしまう会員の行動の傾向は何か。顧客からのアンケートから何か掴めないか。あらゆるデータの収集をされていることでしょう。

幸いデータの収集はインターネットやITの普及によって、会員の行動ログですら容易に集積できるため、データの収集という観点ではそれほど大きな問題とならないでしょう。

問題となるのはその後で、収集したデータをどのように活用すれば良いのか分からないという点です。データは取得するだけではまったく意味がありません。データを統計的な観点から分析にかけなければ意味がないのです。

このように、データは取得しているが、会員の離反の原因分析ができていないという企業も少なくなく、原因が分からないままに断片的なデータの評価や、特定の人の勘に基づいた意見が飛び交う対策会議を重ねてしまっているという、残念な企業も見られます。

データ活用のために非効率なアナログ分析、高いコストを払う企業も

収集したデータを有効活用するために、データを外部の専門業者に提供して分析を委託する企業や、自社で統計とプログラミングに詳しい社員を雇って育て分析する企業も多いことでしょう。

ただ、デメリットも多く、専門業者へ分析を依頼する場合はその都度、高額なコストを払うことになりますし、分析のために社員を雇って育てる場合は、コストだけでなく多くの時間を要するため、どちらも永続的に分析・改善のPDCAを図るには難しい選択肢となります。

しかしながら、これまでのデータ活用のための統計的な分析、となるとこれらの選択肢しかなかったため、コスト・時間の問題は避けられない問題でした。

 

先を進む企業が採用する、あたらしい解決策「AI・機械学習の活用」とは?

先を進む企業が採用する、あたらしい解決策「AI・機械学習の活用」とは?

統計や分析は時間とコストがかかる、というのはもはや過去の話で、そもそも人間の専門家が必要な領域では無くなってきました。そうです、皆さまご存知のAI、その中でも機械学習を使うことで、高速かつ高精度に分析ができる時代になりました。

AI・機械学習といっても、少し前までは統計の知識や専門のプログラミング技術が欠かせないものでした。しかし技術は発達し、最新のAI・機械学習では、統計ツールの知識も不要、高度なプログラミング技術も不要になっているのです。

極端な話、一般の方でも簡単な操作方法だけ理解できれば、データをアップロードして、いくつかのメニューや会話形式で進めるだけで、簡単に統計的な分析や機械学習の結果レポートを受け取ることができる時代なのです。

それでは、簡単にできる統計的な分析は、どのようなケースで利用できるのでしょうか。ここでは事例を取り上げてご紹介します。

 

【AI・機械学習の事例】解約しそうな会員に解約前にアプローチすることで解約率が低下した事例

【AI・機械学習の事例】解約しそうな会員に解約前にアプローチすることで解約率が低下した事例

この事例は今回のテーマでも掲げた「会員の離反防止」で、AI・機械学習を活用した、A社の事例になります。

課題は会員の離反を防止して収益を確保

今回ご紹介する事例のA社では、BtoCの月額利用料モデル(サブスクリプション型)のビジネスを推進しています。新規会員の獲得には、キャンペーンやプロモーション活動を行うなど、多額の投資をしてきました。

A社としては、せっかく獲得した会員の離反を防止して、安定した収益の確保を図りたいところです。その離反防止策の策定にかかるコストについても、安価に、かつ迅速に実施したいと考えてしました。

【解説】A社が選んだのはクラウド型のAI・機械学習ツール

まずツールについて、A社が選んだのはクラウド型のAI・機械学習ツールでした。

自社内にサーバーなどを設置するオンプレミス型という選択肢もありましたが、新たにサーバー環境を構築する必要がなく、すぐに始められる点と、マシンスペックを気にせず大量データを扱える点から、クラウド型の選択に至りました。

取得したデータは過去の会員の行動ログや属性データ

A社では、離反防止策の分析を行うために、会員の行動や登録情報を集積してきました。具体的には、会員の「購買履歴データ」「Web上での顧客の行動ログ」「属性データ」などのデータです。

これらのデータは、会員の登録時や、会員のWebやアプリ上での行動ログの集積によって集めてきたもので、この集積データを統計的な分析にかけて、その原因の特定や事前の防止策に活かそうと考えてきました。

A社はどのような手法で分析したか

A社の分析のステップはシンプルで、取得したデータを分析にかけて、過去に解約した会員としなかった会員の情報からどんな会員が解約しやすいかを予測するというモデルを構築しました。

【解説】モデル化/モデルの構築とは?

機械学習におけるモデルとは、集積した情報を機械的に理解できる情報としてツールにインプットし、ツール側で評価・判定をしてアウトプットすることを指します。

ここでは、どんな顧客が解約に至ったのか、またはどんな顧客が解約に至らなかったのか、という過去の集積データをツールにインプットし、解約に至る顧客のパターンについてアウトプットするというモデル化を行っています。

【解説】精度を高めるために行った2つのポイント

このモデルの精度を高めるために、2つのポイントがありました。

1つは、どれだけたくさんの種類の顧客データを準備してインプットできるかという点で、もう1つは、顧客属性データ以外にも購買履歴や問い合わせ履歴、さらに外部データの活用など、集められるデータはすべて準備しておく点です。

この2つのポイントを押さえることで、予測精度が格段に上がるというメリットが生まれます。

モデルの活用で未来予測と事前の対策を実施

過去のデータを使ってモデルができると、そのモデルを使って現在の顧客に適用することができます。このような方法で、未来の解約の確率を予測することが可能になります。

つまり、未来の解約の確率が分かれば、確率が高い顧客を抽出できるので、その対象に対して何かしらの施策を事前に打つことが可能になるわけです。

A社でも、AI・機械学習の分析によってレポートされた「予測結果」に基づき、解約する確率が高い顧客リストを抽出し、そのリストに対して、今度はその顧客に事前に特典を発行するなどの解約を防止する仕組みを施しました。

【解説】専門知識がなくてもモデル構築が可能

このようにデータを最大限に活用しビジネス課題を解決する例が増えていますが、データはあっても統計やプログラミングの知識が無いといった場合でも、機械学習の自動化ツールがあれば気軽にモデルを作成することができます。

AI・機械学習ツールの威力は?A社が得られた価値とは

この解約の防止策は見事に当たり、結果として解約率が改善し、収益性が改善しました。解約につながってしまう顧客の「気づいていない価値を先回りして伝える」ことで、顧客満足度の向上と、解約の防止につながりました。

また、今回A社が採用したのはクラウド型のAI・機械学習ツールで、これによって分析にかかるコストを大きく削減できました。採用したツールがクラウド型なので、オンプレ型と比べて非常に安価に導入ができました。さらに、環境の立ち上げ部分においてもメリットが大きく、分析自体を迅速に行うことができました。

得られた価値も大きく、改善活動を継続して推進できる仕組みを手に入れることができたという点。このほか、AI・機械学習による分析を活用することで、解約防止以外にもアップセルやクロスセルでも効果を発揮。さらなる収益拡大に貢献する結果となりました。

 

今後も会員の離反防止はビジネスを継続させるための要に

今後も会員の離反防止はビジネスを継続させるための要に

今後、月額課金(サブスクリプション)型のビジネスはさらに広まっていくでしょう。そんな中、一度獲得した会員を如何に維持するかが、さらに難しくなっていくと予想されます。

故に、データ収集、データ分析、新たな改善施策の実施などで構成される、改善のPDCAサイクルを安価で高速に活用する仕組みを取り入れることは、これからの競争を優位にさせる資源となることでしょう。

 

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